【第4版】国際課税の実務と理論

【第4版】国際課税の実務と理論 page 27/34

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【第4版】国際課税の実務と理論

1居住者・非居住者に対する所得課税の概要29国で居住者としての無制限納税義務を負うことになる。日本が締結している租税条約では、二重課税を防止するため、いずれの国の居住者となるかの判定方法を定めている。必要に応じ、両国当局による相互協議が行われる。双方居住者の振分けに関する租税条約の取扱いについては第3章44を参照。注国税庁タックスアンサーNo.2012号参照国内とは、法の施行地をいう(所法2 1一、法法2一)。オデコ大陸棚事件(東京高裁昭和59年3月14日判決(昭和57年(行コ)第43号))23は、大陸棚は慣習国際法に従って、日本国の主権ないし主権的権利の効力による属地的管轄権の及ぶ範囲であると判示する。竹島領土事件(東京地裁昭和36年11月9日判決(昭和34年(行)第139号))24は統治権の及ばない場所と国家課税管轄権との関係について判示する。(2)非永住者居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間(居住期間)の合計が5年以下の個人を非永住者という(所法2 1四)。裁判例として、平成18年(2006年)度税制改正前の旧法に定める非永住者の規定(国内に永住する意思がなく、かつ、現在まで引き続いて5年以下の期間国内に住所又は居所を有する個人)に関するものであるが、内国法人の代表取締役が居住者ではあるものの非永住者に該当すると認定された事例がある(東京地裁平成25年5月30日判決(平成21年(行ウ)301号・316号、平成22年(行ウ)60号)。非永住者は、国23浅妻章如「67.課税権の及ぶ範囲―オデコ大陸棚事件」『租税判例百選〈4版〉』別冊ジュリスト178号(2005年)132頁、村井正「9.課税権の及ぶ範囲―オデコ大陸棚事件」『租税判例百選〈3版〉』別冊ジュリスト120号(1992年)20頁、金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編著『ケースブック租税法』(弘文堂、3版、2011年)107頁参照。24金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編著『ケースブック租税法』(弘文堂、初版、2004年)110頁参照。