【第4版】国際課税の実務と理論

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【第4版】国際課税の実務と理論

36第1章非居住者・外国法人に対する所得課税ation Skip(世代飛ばし)に係る受益者(相法9の5)に関する課税の特例が定められた。注平成19年(2007年)度税制改正前の相続税法に基づく贈与税の課税処分に係る裁判例であるが、名古屋地裁平成23年3月24日判決(平成20年(行ウ)第114号)は、祖父を委託者、米国籍の孫(原告)を受益者とする外国信託の設定に関し、原告は相続税法上の受益者にあたらないと判示したが、控訴審である名古屋高裁平成25年4月3日判決(平成23(行コ)第36号)は、受託者に裁量のある外国信託の設定時に信託受益権の贈与があったと事実認定したうえで、出生後まもない外国籍の乳児である孫の住所地の判定は両親の生活の本拠(日本)を考慮して総合的に判断するとし、原処分を認容した。?外国税額控除無制限納税義務者が相続又は贈与により国外財産を取得した場合に、当該国外財産につき財産所在地国から日本の相続税又は贈与税に相当する税が課されたときには、当該国外財産に係る日本の相続税又は贈与税を限度として、当該国外財産を取得した者の相続税又は贈与税から国外財産に対する外国相続税又は外国贈与税を控除することができる(相法20の2、21の8)。注赤松晃「相続税・贈与税の国際的側面―日本の相続税条約締結ポリシーへの新たな視点」『相続税・贈与税の諸問題』日税研論集61巻(2011年)289頁は、日本が法定相続分による遺産取得税方式を採用しているところ、上記のとおり平成12年(2000年)度税制改正における相続税・贈与税への国籍条項の導入により、100万人を超える海外在留邦人及びその家族の相続等に係る国際二重課税の排除の枠組みとして、市民権課税(=国籍条項)を定める米国のモデル相続税条約が規定する国際二重課税排除の方法としての課税権振分け規定の意義及び日本への示唆を検討する。