税務サンプル|税理士が教える勘定科目別税務の着眼点

税務サンプル|税理士が教える勘定科目別税務の着眼点 page 26/40

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税務サンプル|税理士が教える勘定科目別税務の着眼点

82.売掛債権の管理ポイント2-1回収サイトは適切であるか?受取手形や売掛金などの売掛債権が計上されるということは,売上が計上されるということであり,利益が増加することになります。しかし,会社としては,利益が計上されて終わりではなく,売掛債権が現金として回収されなければ意味がありません。売掛債権が溜まっていくばかりでは,資金繰りに困窮し,結果,黒字倒産を招くこととなってしまいます。事業活動を行ううえで,「いつ,いくらの資金が必要なのか」という資金繰りを把握することは非常に重要ですが,そのためには,売掛債権の回収サイト(現金化までの期間)を管理し,その回収サイトで資金繰りに問題がないかを確認する必要があります。業績が拡大していく過程では,必然的に仕入代金などの経費が先行して発生し,その分,キャッシュフローが悪化することになるため,売掛債権の回収サイトと買掛債務の支払サイトのバランスを調整することが重要になります。「回収サイトはなるべく短く」「支払サイトはなるべく長く」が理想ですが,当社における回収サイトは相手方における支払サイトになるため,その変更は容易ではないかもしれず,また,その交渉は取引先との力関係による部分も大きいため,回収サイトの短期化(支払サイトの長期化),分散化などの対策は慎重,かつ,長期的な視点で行う必要があります。ポイント2-2異常な動きは生じていないか?売掛債権については,受取手形・売掛金の総勘定元帳を見ていても,異常な動きに気がつくことはあまりなく,得意先ごとの補助元帳や得意先別一覧表などによりその動きを確認する必要があります。通常月と比べ残高が多い場合には,回収漏れ(遅延),粉飾などが,残高が少ない