税務サンプル|七訂版 遺産分割の手続と相続税実務

税務サンプル|七訂版 遺産分割の手続と相続税実務 page 34/44

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税務サンプル|七訂版 遺産分割の手続と相続税実務

第1章相続の開始から相続人・相続分確定までの手続きと実務Ⅲ遺言書がある場合の対応と手続き1.遺言書の開封と検認相続が開始した場合には、被相続人に遺言(遺言書)があるか否かを早急に確認すべきです。財産の処分に関する遺言があるにもかかわらず、相続人間で遺言の内容と異なる遺産の分割を行った場合には、後日に遺産分割のやり直し等の問題が生じるからです。遺言書がある場合において、その遺言書に封印がされているときは、相続人又はその代理人が立会いをして家庭裁判所で開封しなければなりません(民10043)。また、公正証書遺言を除き、遺言書は家庭裁判所の「検認」が必要です(民10041)。検認というのは、遺言書の内容や体裁を確認し、偽造や変造を防止するための検証手続きで、一種の証拠保全の目的があります。遺言書の保管者又は発見者は、遺言者の住所地を管轄する家庭裁判所に「遺言書検認申立書」〔書式2〕(次ページ)とともに遺言書を提出します。家庭裁判所では、その内容等を確認の上、検認調書が作成されます。この場合の検認は、家庭裁判所による保全の手続きですから、遺言が有効か無効かということとは関係ありません。仮にその遺言書が特定の者に強迫されて作成されたもので、遺言者本人の真意と異なるものであったとしても、家庭裁判所はその内容には関知しません。遺言内容に不信や不服がある場合は、遺言の無効確認の訴え等で争う必要があります。また、財産の処分について、遺留分に反する内容であったとしても、その遺言自体は無効ではなく、別途に遺留分減殺請求を行うことになります(民1031)。なお、封印のある遺言書を家庭裁判所以外の場所で開封したり、検認の手続きを怠った場合は、5万円以下の過料に処せられます(民1005)。2.遺言の執行遺言の内容を実現させるには、さまざまな作業が必要です。不動産の所有権移転登記、動産の引渡し、認知に関する遺言であればその届出などです。これらの作業を実行することを遺言の執行といい、その任に当たる者を遺言執行者といいます。遺言執行者は、遺言で指定することができますし、また、遺言でその指定を第三者に委託することもできます。指定する遺言執行者は一人でも複数でもかまいません(民10061)。この場合、指定された者は遺言執行者に就任する義務はなく、その者の承認により遺言執行者となり、また、その就任を拒否することができます。指定された者がその就任を拒否した場合、あるいは遺言に遺言執行者の指定がなかった場合は、相続人等の利害関係者が家庭6