税務サンプル|七訂版 遺産分割の手続と相続税実務

税務サンプル|七訂版 遺産分割の手続と相続税実務 page 42/44

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概要:
税務サンプル|七訂版 遺産分割の手続と相続税実務

第1章相続の開始から相続人・相続分確定までの手続きと実務3遺贈、寄附行為4遺贈の減殺方法の指定5相続人の廃除、廃除の取消し6相続分の指定、指定の委託7特別受益者の持戻しの免除8遺産分割方法の指定、指定の委託9遺産分割の禁止10共同相続人間の担保責任の指定11遺言執行者の指定、指定の委託12信託の設定なお、これら以外の個人の感情的な事柄として、たとえば、「相続財産は円満に分配すること」とか、「相続人は互いに助け合っていくこと」、あるいは「葬儀は簡素に行うこと」といったことを遺言書に書くことはかまいません。ただし、法的な効力は一切ありません。?遺言(遺贈)と相続税遺言による財産分与を「遺贈」といい、遺贈される者を「受遺者」といいますが、受遺者の取得財産について相続税が課税されることはいうまでもありません。上記の遺言事項は、相続税に関わることが少なくないのですが、とくに「遺産分割方法の指定」と「遺産分割の禁止」事項は相続税に大きな影響が生じます。相続税は、遺産分割の方法によって納付税額が異なることがあり、また、財産の種類によっては、その財産の取得者が誰であるかによって相続人全体の納税額に影響を及ぼす制度があります。前者は「配偶者に対する相続税額の軽減」(相法19の21)であり、後者は「小規模宅地等の特例」(措法69の41)です。被相続人の配偶者については、相続財産価額(課税価格の合計額)のうち法定相続分相当額又は1億6,000万円のいずれか多い金額に対応する相続税額は税額控除となります。このため、遺言で配偶者の取得財産を指定し、その指定に従って分割をした場合に配偶者の取得財産価額がこれらの金額を下回ると、結果的に税額控除が十分に活かされないことになります。また、被相続人の事業用宅地等や居住用宅地等については、その取得者が一定の者である場合には、「小規模宅地等の特例」によりその相続税評価額から80%の減額が適用できることとされています。これらの宅地等の取得者を指定した場合、その取得者が80%減額の適用対象者でないとすれば、特例を活かした場合に比べ、納税額は過大なものとなります。したがって、遺産分割方法を遺言で指定する場合は、このような税務問題に十分な配慮をする必要があります。また、相続税の申告は、相続人が相続の開始を知った日の翌日から10か月以内とされていますが(相法271)、申告書の提出時に相続財産が分割されていない場合は、配偶者の税14