〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント

〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント page 20/26

電子ブックを開く

このページは 〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント

10第1章贈与の基礎きと解するのが相当である。」(平成19年6月26日裁決)なお、不動産の贈与に関しては、贈与契約の締結日ではなく所有権の移転登記完了をもって贈与成立と判断する場合もあります。公正証書で贈与契約書を作成したとしても、受贈者に名義変更していないことについて特別な事情がない限り贈与が成立したとはみなされないので、名義変更を怠ったまま相続を迎えることとなると、問題が生じる危険性もあります。同様の事案が過去にいくつも発生しており、裁決等において「所有権の移転登記がなされた日が贈与日とみるのが妥当である」との判断が示されています。したがって、不動産の贈与に関しては、所有権移転登記まで行って初めて贈与が成立と考える必要があります。《参考》公正証書による財産の贈与時期は、公正証書が作成された日ではなく、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日であるとした事例(平成9年1月29日裁決)請求人は、公正証書による財産の贈与時期は、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日ではなく、公正証書が作成された日である旨主張する。しかしながら、[1]贈与税課税の除斥期間が経過するまで所有権の移転登記がされていないこと、[2]公正証書の作成目的が租税回避以外の必要性がないこと及び[3]公正証書の記載内容と異なる行為が行われていることから、当該公正証書は実態を伴わない形式的な文書と認めるのが相当であり、これにより贈与が成立したとは認められない。