〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント

〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント page 21/26

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概要:
〈改訂〉贈与税の実務とその活用のポイント

5贈与が認められないケース11したがって、本件不動産の贈与の成立した日は、第三者に対抗するための法律要件が成就した日(所有権移転登記が行われた日)と認めるのが相当であるから、本件決定処分は適法である。不動産の贈与時期が、公正証書の贈与契約書作成日となるか、贈与税徴収権が時効消滅した所有権移転登記日となるかが争われた事件(平成10年9月11日名古屋地裁判決)不動産の贈与の場合、所有権移転登記を経由するのが所有権を確保するためのもっとも確実な手段であるが、贈与が行われたにもかかわらず何らかの事情により登記を得られないときや、登記のみでは明らかにできない契約内容等が存在するときに、あえて公正証書を作成する意義があるものと解される。納税者(受贈者)と贈与者の嘱託により作成された公正証書に不動産を贈与する旨の記載があるとしても、1所有権移転登記をできない事情が存しなかったこと、2右公正証書は、不動産の所有権移転登記をしても納税者が贈与税を負担しないように作成されたものであることなどから、直ちに右公正証書の記載の時期に贈与があったと認定することはできない。本件不動産の贈与は、書面によらない贈与によるものであり、書面によらない贈与の場合にはその履行の時(不動産が引渡し又は所有権移転登記がされた時)に贈与による財産取得があったと見るべきである。書面による贈与契約であってもその契約の効果が真実生じているか否かを実質的に判断するべきであるとした事例(平成15年3月25日裁決)請求人は、本件不動産について、本件相続開始前に本件公正証書に基づいて請求人の子らが被相続人から生前贈与を受けたものであり、本件