土地を共有で所有している場合の「共有にかかる所有権」は、その共有の目的となっている土地の全体に及んでいます。したがって、ご質問の甲さんが所有している200uの土地は、どの部分をとっても、平成10年に祖父から贈与された共有持分権と、平成20年に父から買い取った共有持分権が混在していることになります。
このことから、甲さんが兄に譲渡する土地の2分の1の持分権にも、祖父から贈与された持分権と父から買い取った持分権が混在していることになります。このことは、持分権の譲渡ではなく、その土地の2分の1を分筆して譲渡する場合も同様です。
したがって、兄に買い取ってもらう持分権を平成10年の贈与で取得した持分権に特定して、その部分のみを譲渡するということはできないものと考えます。
このため、甲さんが兄にこの土地の持分権の2分の1を譲渡した場合には、譲渡収入金額のうち、2分の1は長期譲渡所得の収入金額となり、残りは短期譲渡所得の収入金額となり、取得費、譲渡費用についてもそれぞれごとに計算することとなります。
売買契約書の書式については税務上の問題ではないため、回答は差し控えさせていただきますが、契約書の文面によって税務上の取扱いが変わることはないものと考えます。
(税理士懇話会・資産税研究会事例より)
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