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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

被相続人の負担割合100%の連帯債務と債務控除 (10.3/2更新)
Q  父親が75歳、子供が50歳の親子が連帯債務で金融機関から資金を借り入れて賃貸マンションを建築することを予定しています。連帯債務ではありますが、債務の負担は100%父親で、賃貸経営も父親が行い、不動産所得も全額父親が申告します。このような契約としたのは、父親が高齢であるため、金融機関の求めに応じたためですが、賃貸マンションが完成し、賃借人が入居した後に父親に相続が発生した場合には、借入金の全額を債務控除することができるでしょうか。また、賃貸マンションの敷地については、貸家建付地の評価が適用できるでしょうか。こうした取引が租税回避行為とされることはないでしょうか。

A

  連帯債務の場合の債務者相互間の債務の負担割合は、@連帯債務者間において負担割合が定められているときはその割合、A負担の定めがない場合でも、債務者相互間においてその連帯債務から受けた利益の割合が明らかなときはその割合、B負担の定めがなく、受けた利益の割合が明らかでない場合には、均等の割合によることとされています。
  ご照会のケースでは、連帯債務者である親子間において、父親の負担割合が100%、子の負担割合が0%と定められているとのことですから、父親の相続に際しては、連帯債務の借入金残高の全額を父親の債務として、相続税の計算上債務控除の対象とすることができます。
  また、賃貸マンションの敷地については、当然に貸家建付地としての評価が適用されます。
  債務の残高が全額債務控除され、敷地については評価額が減額されることから、租税回避行為と認定されるのではないかとお考えのようですが、債務控除も貸家建付地の評価も当然のことであり、租税回避行為には該当しないと考えます。
 
                         (税理士懇話会・資産税研究会事例より)


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