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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

祖父から孫への教育費の贈与 (10.4/1更新)
Q  相続税法では、「扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については贈与税が非課税とされていますが、祖父が孫の大学の学費を支払った場合でも非課税になるのでしょうか。親(祖父から見れば子)に学費を支弁するだけの収入がある場合と、そうではない場合とで扱いは異なってくるのでしょうか。祖父と孫が同居していない場合にはどうなるでしょうか。
  また、祖父と親が同居しており、親に収入があるにもかかわらず、日常の生活費の全額を祖父が負担していたような場合でも非課税とされますか。祖父に相続が発生した場合には、生活費の一部が貸付金と認定されることはないでしょうか。

A

  相続税法21条の3第1項第2号では、扶養義務者相互間での学費および生活費に充てるための贈与は、通常必要と認められる金額である限り、贈与税を課税しないこととされており、この場合の「扶養義務者」とは、「配偶者ならびに民法877条の規定による直系血族および兄弟姉妹…をいう」ものとされています(相続税法基本通達1の2−1)。
  ご質問の事例は、祖父から孫への教育費の贈与ですから、直系尊属からの教育費の贈与に該当します。したがって、贈与される金額が教育費として通常必要とされるものである限り、贈与税は非課税とされます。親(祖父から見て子)に学費を負担するだけの資力があるかどうか、孫と祖父が同居しているか否かによって贈与税の課税、非課税が変わるようなことはありません。
  また、被相続人が生前に、収入のある相続人と生計を一にしており、その被相続人が生活費の全部を負担していたとしても、その生活費の負担が相続税法21条の3第1項第2号に規定する生活費に充てるためになされたものである限り、贈与税の対象とされることはありません。
  この生活費は、贈与税の非課税財産ですから、被相続人の相続に当たって、その累計額を貸付金と認定されることもありません。
 
                         (税理士懇話会・資産税研究会事例より)


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