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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

代償債務を債務控除することの可否 (19.5/9更新)
Q

 平成29年1月に被相続人甲が死亡し、子供4人が相続人となりました。同居親族の子Bが自宅を相続し、代償金を他の4人に支払うものとして申告をしました。代償金の金額は具体的に分割協議書に記載されています。
 その後、平成30年10月に子Bは死亡しました。
 自宅を売却後、その売却代金を原資に代償金を支払う予定でしたが、それを実行することはできませんでした。
 子Bは独身であったので兄弟3人が相続人となります。この場合において、子Bの財産は預金と自宅ですが、代償債務は債務控除の対象としてよろしいのでしょうか。


A 1 遺産の分割が代償分割の方法により行われた場合の相続税の課税価格の計算について、相続税法基本通達11の2-9は、次によることとしています。
 (1) 代償財産の交付を受けた者
    相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額との合計額
 (2) 代償財産の交付をした者
    相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額ら交付をした代償財産の価額を控除した金額

2 上記「1」の通達の注書きにおいて、「「代償分割」とは、共同相続人又は包括受遺者のうち1人又は数人が相続又は包括遺贈により取得した財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人又は包括受遺者に対して債務を負担する分割の方法をいうのであるから留意する。」としています。

3 お尋ねの場合は、相続財産の現物である自宅を相続により取得した相続人Bが他の4人の共同相続人に代償金の交付という債務を負担する方法により、上記「1」により相続税の申告をされていますこと、また、代償金の交付(債務の負担)については遺産分割協議書に具体的に記載していること及びその交付が相続人Bについて相続が開始するまでに履行されていなかったことから、第2次相続の被相続人Bの相続開始の際現に存する債務で、かつ、確実なものとして債務控除の対象となります。 

※訂正とお詫び
更新時、回答の文末に不要な文章がありましたため、該当箇所を削除いたしました。
お詫びして訂正致します。(2019.5.10)

             (税理士懇話会・資産税研究会事例より)

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