ご質問にある法定相続分での共有登記が、@相続財産が未分割であり、それを表示する目的で各相続人の法定相続分に応ずる共有持分に基づく登記が行われたのか、それとも、A法定相続分により相続財産の分割が行われ、それを表示するために相続登記が行われたのか、によって税務上の取扱いは異なります。
まず、@の場合であれば、相続財産は未分割の状態にあるわけですから、相続人全員の協議によって遺産分割をすることになり、それに基づく登記が行われても、贈与税の問題は発生しません。
しかし、Aの場合であれば、すでに遺産分割は終了していますから、A、Bの間で遺産の再分割、あるいは資産の譲渡が行われたと判断されることになります。
相続税法基本通達19の2−8では、分割のやり直しとして再分割をした場合には、遺産の分割には該当せず、贈与・交換等が行われたものとして取り扱うこととされています。
ご質問のケースが@、Aのどちらに当たるかは事実認定の問題ですが、共有登記の申請時における登記申請書、添付書類等に基づいて判断することになると考えます。
(税理士懇話会・資産税研究会事例より)
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