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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

配偶者と養子縁組による兄弟姉妹の両方の身分を有する場合 (11.3/1更新)
Q  被相続人には子がなく、両親もすでに死亡していますので、法定相続人は妻と被相続人の兄弟姉妹です。ところが、妻は被相続人の両親の生前に両親と養子縁組をしており、被相続人の配偶者としての身分と被相続人の兄弟姉妹としての身分を持つことになります。このような場合、妻の相続分はどのように考えればいいのでしょうか。相続税法基本通達では、代襲相続人が被相続人の養子である場合には代襲相続人としての相続分と養子としての相続分の双方を有する(相続税法基本通達15−4(注))とされています。この場合にも妻は、被相続人の配偶者としての相続分と兄弟姉妹としての相続分の双方を有すると考えるのでしょうか。

A

  相続税では、身分関係が重複している場合の課税関係については、法務省民事局長回答によることとして取り扱われています。
  まず、相続税基本通達15−4(注)の考え方は、昭和26年9月18日付法務省民事局長の回答(民甲1881号)に基づくもので、それによれば、祖父が被相続人である場合、祖父の養子となっていた孫は、養子としての相続分と代襲相続人としての相続分を合わせて取得する、とされています。
  一方、ご質問のような場合については、昭和23年8月9日付法務省民事局長回答(民甲2371号)があります。それによりますと、長女の夫である被相続人が長女の親と養子縁組をしている場合には、長女は兄弟姉妹としての相続分は有せず、妻としての相続分のみを有する、とされています。
  このことからすれば、ご質問のケースでは、妻は被相続人の配偶者としての相続分のみを有することになるものと考えます。  
                         (税理士懇話会・資産税研究会事例より)


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