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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

リフォーム費用と建物の相続税評価額 (12.10/1更新)
Q    被相続人は、相続開始の2年ほど前に約500万円をかけて自宅の建物のリフォームを行いました。ガラス戸のサッシへの取替えや床の張替え、壁紙の張替えなどです。この費用は、資本的支出の考え方を採用して、2年経過後の未償却残額相当額を建物の評価額に加算することになるのでしょうか。

A    一般的には、建物の床面積の増加あるいは減少を伴わないリフォーム工事が行われた場合には、建物の固定資産税評価額の改定は行われません。
   建物にリフォーム工事を行った場合、内装工事等を行って、結果的に建物の使用可能期間の延長がもたらされたとしても、それが建物全体から見れば小さい部分であれば、建築当時の原状に回復するための工事であり、リフォーム費用は原状回復に充てられたと判断することができます。そのような原状回復費用は、修繕費に該当すると理解することができます。
   ところで、相続税では、建物の相続税評価額を固定資産税評価額とすることとしていますが、リフォーム工事によって建物の時価が増加している場合には、固定資産税評価額を増額させる必要があるものと考えます。
   しかし、そのリフォームが原状回復にとどまっていれば、固定資産税評価額を増額させる必要はないことになります。
   また、リフォーム費用の500万円を基にして未償却残額を相続財産である家屋の価額に加算することをお考えのようですが、リフォーム費用は、独立した資産として存在しているわけではなく、独立した資産として市場での流通価値もないところから、相続税における財産とはいえないことになり、そうした方法はなじまないのではないかと考えます。
   こうしたところから、個人的には、事例のリフォーム費用は原状回復費であり、加算の必要はないと考えます。
                       (税理士懇話会・資産税研究会事例より)

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