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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

胎児の相続権 (16.3/2更新)
Q

 被相続人は11月に突然亡くなりましたが、その後6月になり被相続人の妻は子どもを出産しました。 被相続人の死亡時点では、妻が妊娠していることはわかりませんでしたので、被相続人の母親が銀行預金を相続しましたが、名義変更等の手続き完了後に、被相続人の妻から妊娠していると言われ、本来相続人ではない母親が相続した銀行預金は、現在も母親名義のままになっております。
 この場合、母親の名義になっている銀行預金は被相続人の妻または、その子どもに変更する必要があるでしょうか。


A  民法では、胎児は相続について、既に生まれたものとみなす旨が規定されております(民法886条1項)。 したがって、ご質問における法定相続人は、被相続人の配偶者と被相続人の死亡後に出生した胎児となり、亡くなった被相続人の父母には相続権がありません。
 相続する権利を有しない被相続人の母親が、被相続人の妻に胎児がいることを知らなかったため相続権があると誤認して、被相続人名義の預金を、相続を原因として母親名義に変更した場合も、母親は相続人に該当しませんので、被相続人の銀行預金を相続により取得することはできません。
 ご質問の場合、母親の名義になっている銀行預金は、相続人である被相続人の妻及びその子どもに名義を変更すべき義務があると考えます。

                       (税理士懇話会・資産税研究会事例より)

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