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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

老人ホーム入居中の親族に家屋の相続が発生した場合の小規模宅地等の特例 (16.8/2更新)
Q

 母一人、子一人で、子が所有する土地・建物に2人で住んでいましたが、母の介護が必要となり、母は老人ホームに入居しました。
 その後、子が亡くなり、母が財産を相続することになりました。
 この場合、相続発生により空き家となった自宅について、母は小規模宅地等の課税の特例を受けることは可能でしょうか。


A  ご質問は、被相続人ではなく、宅地等を取得した相続人が相続開始の直前において、老人ホームに入所していた場合に、同居の親族として小規模宅地等の課税の特例を受けることが可能であるかということかと思われます。
 平成25年度税制改正前は、実務上、下記の@〜Cの状況が客観的に認められる場合は、老人ホームに入所する前に被相続人が居住していた家屋の敷地は、相続開始の直前においてもなお被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するものとして差し支えないものとされていました。
@ 被相続人が介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所することになったと認められること
A 被相続人がいつでも生活できるようその家屋の維持管理が行われていたこと
B 老人ホームに入所後、新たにその家屋を他の者の居住の用その他の用に供した事実がないこと
C 老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人またはその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものではないこと
 この取扱いは被相続人についてのものですが、それまで同居していた相続人が介護を受ける必要があるため、その家屋を離れて老人ホームに入所した場合もあてはまるものと考えます。
 相続開始が平成26年1月1日以後の場合においても、上記Cの取扱いを除いて同じです。
 よって、相続後、他の者の居住の用や事業の用に供されていない限り、同居の親族が取得したものとして、母が取得した家屋の敷地は特定居住用宅地等として課税の特例が受けられるものと考えます。


                       (税理士懇話会・資産税研究会事例より)

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