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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

レクチャー”相続税実務への近道”

配偶者の税額軽減(その2) (15.4/2更新)
1.隠ぺい・仮装した相続財産があった場合における配偶者の税額軽減
 平成6年度税制改正により、配偶者が取得する財産に隠ぺい仮装行為があった場合には、「配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額」に含まないとされた。さらに、平成19年度税制改正により、配偶者が行った隠ぺい仮装行為による事実に基づく金額に相当する金額は、たとえ、配偶者がその財産を取得しない場合であっても、配偶者に対する相続税額の軽減の計算の基礎となる「相続税額の総額」及び「課税価格の合計額」については、その配偶者が行った隠ぺい仮装行為による事実に基づく金額に相当する金額を含まないところで計算することとされた。
 したがって、「相続税額の総額」には配偶者が隠ぺい仮装した財産に係るものを含まず、「課税価格の合計額」には配偶者が隠ぺい仮装した財産を含まず、「配偶者に係る相続税の課税価格に相当する金額」には配偶者が取得した隠ぺい仮装した財産を含まれない。



<実務の留意点>
 法律で認められた税額軽減制度であるが、隠ぺい仮装した財産は配偶者の税額軽減の対象とならない。有効に活用できるように、相続財産の把握の際には税理士に協力して資料提供や情報提供するように説明した方が良いと思う。

2.二次相続対策
 二次相続の相続税は一次相続の遺産分割の仕方で大方決まる。一次相続の遺産分割で配偶者が取得する財産の種類、取得する金額がポイントとなる。

<計算例T 配偶者の税額軽減を最大限に活用するケース>
・相続人は妻と子供2人
・夫の相続財産50,000万円
・妻の固有財産25,000万円


<計算例U 配偶者の税額軽減を活用しないケース>
・相続人は妻と子供2人
・夫の相続財産50,000万円
・妻の固有財産25,000万円


<実務の留意点>
 相続税の負担を中心に考えれば、配偶者は値上がりしない又は下落すると予想される財産や消費される財産を相続すべきと思う。また、計算例のように配偶者に固有の財産がある場合には、一次相続で配偶者は財産を取得しないで子供に相続させることも検討すべきであろう。
 このように一次相続だけでなく二次相続も考えて遺産分割を検討した方が良いと思う。

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