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国税庁〜違憲判決を受けた非嫡出子の取扱いを公表 (13.10/2更新)
 9月4日、最高裁判所は、遺産分割審判にかかる事案で、民法900条4号ただし書きの規定の「非嫡出子」(結婚していない男女間の子供)の相続分を「嫡出子」(結婚した男女間の子供)の2分の1としている部分は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に定めた「法の下の平等」に違反していたことから無効であったとして、事案を東京高裁に差し戻す判決を行った。
 この判決により、民法900条4号のただし書きは改正されることとなるが、判決では、平成13年7月当時から、この判決に至るまでの間の他の相続事案に、この違憲判断は影響を及ぼさないと判示されたことから、判決内容に基づく相続税額の計算等の取扱いが、どのようになるのか注目されていた。
 国税庁では、今回の判決を受け「相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて(平成25年9月4日付最高裁判所の決定を受けた対応)」を同庁のwebサイトに掲載、違憲判断を踏まえ、民法の改正を待たず、前倒しで新たな取扱いを公表している。
 それによると、平成25年9月5日以後、申告(期限内申告、期限後申告及び修正申告)または処分により相続税額が確定する場合(平成13年7月以後に開始された相続に限る)には、民法900条4号ただし書きの非嫡出子に関する規定はないものとし、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1ではなく、同額として相続税額を計算することとなる。
 また、平成25年9月4日以前(違憲決定日以前)に相続税の申告をして、相続税額が確定している場合には、仮に今回の判決内容に基づき相続税額を計算することで相続税額が減額するとしても、このことは更正の請求事由にならないとされている。
 その一方、平成25年9月4日以前(違憲決定日以前)に相続税の申告を行い、9月5日以後(違憲決定日後)に遺産分割協議が確定したため、更正の請求を行う場合は、今回の判決内容に基づき、民法900条4号ただし書きの非嫡出子に関する規定はないものとし、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1ではなく、同額として相続税額を計算することとなる。
 なお、相続の開始が平成25年9月4日以前(違憲決定日以前)で、9月5日以後(違憲決定日後)に相続税の申告をする場合も、今回の判決内容に基づき、相続税額の計算をすることができるとされている。

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