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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税ニュース

平成26年度税制改正大綱を決定 (14.1/6更新)
 12月12日、自民党と公明党は平成26年度税制改正大綱を決定した。
 資産課税に関係する主な改正事項は、医業継続にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度の創設、農地にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し、住宅取得等資金の贈与の非課税措置等の見直し、相続財産にかかる譲渡所得の課税の特例の見直し、ゴルフ会員権等の損益通算の廃止等が予定されている。

医業継続にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度の創設
 相続人が出資持分の定めのある医療法人の持分を相続又は遺贈により取得した場合に、その医療法人が相続税の申告期限において認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件に、その相続人が納付すべき相続税額のうち、その認定医療法人の持分に係る課税価格に対応する相続税を、移行計画(仮称)の期間満了まで猶予する制度が創設される。
 また、出資持分の定めのある医療法人の出資者が出資持分を放棄したことにより、他の出資者の持分の価額が増加することについて、その増加額(経済的利益)に相当する額の贈与を受けたものとみなしてその他の出資者に贈与税が課される場合、その医療法人が認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件に、その他の出資者が納付すべき贈与税額のうち、経済的利益に係る課税価格に対応する贈与税額を、移行計画(仮称)の期間満了まで猶予する措置も創設される。
 この場合の、認定医療法人(仮称)は、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律に規定される移行計画(仮称)について、認定制度の施行の日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人をいう。

農地にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し
 特例適用農地等を収用等のために譲渡した場合の利子税の特例を見直し、平成26年4月1日から平成33年3月31日までの間に特例適用農地等を収用等のために譲渡した場合には、現行、2分の1免除されている利子税の全額を免除する等の措置が講じられる。

住宅取得等資金の贈与の非課税措置等の見直し
 特例の適用対象となる既存住宅用家屋の範囲に、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準に適合しない既存住宅を取得した場合に、その既存住宅の取得の日までに耐震改修工事の申請等をし、その者の居住の用に供する日までに耐震改修工事を完了していること等の一定の要件を満たす既存住宅用家屋が加えられる。
 また、東日本大震災の被災者が直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、警戒区域設定指示等の対象区域内に居住していた者に係る現行3月の受贈期限が、警戒区域設定指示等の解除後1年に延長される。

相続財産にかかる譲渡所得の課税の特例の見直し
 現行、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合の譲渡所得の金額の計算においては、その者が相続した全ての土地等に対応する相続税相当額を、取得費に加算することができる。
 改正により、平成27年1月1日以後に開始する相続または遺贈により取得した資産の譲渡から、上記の土地等を譲渡した場合の取得費加算額の特例は廃止され、取得費に加算できる金額は、全ての土地等に対応する相続税相当額ではなく、譲渡した土地等に対応する相続税額のみとされる。

ゴルフ会員権等の損益通算の廃止
 「生活に通常必要でない資産」の範囲に、主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権やリゾート会員権など)が新たに加えられる。
 これにより、ゴルフ会員権やリゾート会員権の譲渡損失は、他の所得との損益通算および雑損控除を適用することはできないこととされる。

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