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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

税制改正のトピックス

中小企業庁 非上場株式等評価ガイドラインを公表 (09.2/23更新)
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」は昨年の10月1日より開始されていますが、その第2章に規定されている「遺留分に関する民法の特例」にかかる部分については、3月1日から適用が開始されることとなります。

この民法特例では、遺留分権利者全員の合意に基づき、遺留分に算定すべき基礎財産から事業の承継に必要となる株式等を除外する、いわゆる「除外合意」と、その株式等の価額を固定できる「固定合意」が設けられています。

  「除外合意」は相続財産の遺留分に算定すべき基礎財産から、事業の承継に必要となる株式等を除外する制度で、除外の対象となった株式等が遺留分算定基礎財産に算入されず、遺留分の減殺請求の対象外となることから、事業継続に必要となる株式等の分散を防止することが狙いとされています。

  また、「固定合意」は、後継者の経営努力により、企業価値を上昇させたことに伴って、非後継者の遺留分の額を増加させることが、企業価値を向上させようとする後継者の意欲を阻害することを防止する意味から、株式等の価額を固定できる制度となっています。 その際の株式の価額については、弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人の証明を受けることが円滑化法に規定されており、中小企業庁では、合意の時における相当な価額の評価方法について、中小企業庁長官の私的研究機関として「非上場株式の評価の在り方に関する委員会」を設置し、検討を行ってきたところです。 今般、その「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」が取りまとめられて公表されました。

  ガイドラインでは、非上場株式の各種評価方法を取上げ解説しており、「固定合意」において評価方法を選択する際の留意点を説明する内容となっています。また、ガイドラインの後半には、非上場株式の評価方法に関する過去の裁判例も収録されています。 ガイドラインでは、特定の評価方法を取上げることはないものの、「固定合意」の直前には、大量の非上場株式の贈与が行われていることが予想され、その際の贈与税の評価と、「固定合意」の評価の関係が大きく異なるような場合には、株式の価格が問題視されることも想定されることから、税にかかる評価、いわゆる国税庁方式に用いられている財産評価基本通達に配慮することとなることも明記される内容になっています。

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