スタートアップ×会計人財 ~会計知識を活かして活躍する人財に注目~
こちらの企画では、「スタートアップ企業で働くってどんな感じ?」「会計人がスタートアップ企業でどのように活躍しているかを知りたい!」など、様々な角度からスタートアップ企業の会計人の働きをテーマに、会計人のみなさまへ情報をお届けします。
生成AI・LLMや自律型AIをはじめとした最先端テクノロジーの研究開発および社会実装を行うテックカンパニーAI inside株式会社 経営企画室 石原聖子さんにお話を聴きました。(※2023年10月取材時の状況をもとに掲載しております)
この記事でわかること
- 会計人としてスタートアップ企業で働くことのやりがい
- 経理職から経営企画職へピボットした実例
- AI insideは会計知識をもって活躍してくれる仲間を募集中
石原さんのご経歴について
元々私エンジニアなんですよ。人からお話を聞き出す経験があまり無いので緊張します(笑)。
そうでしたか!転職ですか(笑)? うちの会社もエンジニアの方が3分の1以上ですよ。
まずは石原さんのご経歴について教えてもらえますか?
私は今の会社、ちょうど今年の8月で3年目になりました。前職は、保育や介護業界で経理や経営企画の業務に7年間従事していました。
今はテックカンパニーなのでがらっと変わられましたね。転職を考えられたきっかけは何でしたか?
前職は様々な業種の会社の経理に従事できましたし、経営企画へ異動になりとても満足していましたが、IPO準備が少し長くなってきそうだという話が出てきて、転職を決意しました。
テックカンパニーに転職しようと思ったのは今後成長が期待できる業界だと感じたからです。また前職は非上場でしたので、上場しているテックカンパニーに転職したいと希望していました。
AI inside転職後の経歴も教えてください。
最初は経理部に所属をしていました。3年前なのでまだ規模も小さく、従業員も50、60人くらいでしたので、経理部の中に経営企画の業務がありました。会社の規模が大きくなるにつれ経営企画としての業務も拡大し、今では経理から独立して、経営企画という部署があります。私は今、その経営企画のマネージャーをさせていただいているところです。
表現が良くないかもしれませんが、トントン拍子でキャリアアップされた感じでしょうか。
トントン拍子…どうなんでしょうね(笑)。
スタートアップ企業ならではの経験だと思うんですけど、今130人ほど従業員がいるんですけど、その中で、それぞれのチャンスが平等に与えられます。そこに自分次第で挑戦できる環境はあると思います。
私の場合チャンスがあったので、手を挙げたというところかなと思います。当時の経営企画の部長が、他の部署の方に異動したい、次の興味がある部に移りたいということで、そちらの責任者になられて、そのタイミングでポジションが空き、手を挙げました。
上司の動きも踏まえてご自身の意向を会社に相談できる環境なんですね。
そうですね。それがダメだという会社ではないです。私は直近、資格の勉強のために1ヶ月ほど休職させていただきましたし、そういった、ちゃんと本人の希望に合わせたお休みもできる会社になっています。
スタートアップ企業特有の良さスタートアップ企業特有の良さについてお聞きしました。
柔軟性とチャンスがある環境は理解したのですが、他にもありますか?
一人一人が責任をもって仕事をしています。裏を返すと仕事やっていない人ってバレちゃう。見えちゃう(笑)。
そういう意味で一人一人の発言がすごく大事ですし、そういった人を大切にするというところがとてもあります。発言もちゃんと経営陣含めて聞いてくれますし、自分がやりたい仕事は、手を挙げればちゃんとチャンスはくれる。従業員が前職のように7,000人くらいいると、手を挙げたところでなかなか挑戦できなかったりすると思うんですけど、そういうのがスタートアップ企業特有の良さと思います。
事業の成長を感じるスピード感もありそうですよね。
そうですね。ちょうど上場をした時の製品が「DX Suite」という製品なんですけど、その後「AnyData」ですとか、「Heylix」 という製品を提供し続けています。やはり日々成長をしていく感覚がありますね。
IT業界って3ヶ月で変わっていってると言われるんです。競合他社が変わったりだとか、環境が変わったりだとか、他の会社が同じような製品を出しちゃうということもあります。
そうすると見ている指標や競合他社も変わってくるので、限られたリソースの中で攻めなければいけないところ、次はどうする、これを切り捨てなきゃいけないとか、選択を迫られることがあります。
コミュニケーションコストがかからない企業文化
社内コミュニケーションで気をつけていることはありますか?
役職とかはあんまり気にせず、自由にコミュニケーションを行ってます。リモート勤務が多いですが、コミュニケーションツールを使い、かなり活発な意見交換などが日々行われてます。
職種による言葉の壁みたいなのって時々感じませんか?
あると思います。職種による言葉の壁もありますし、海外の方もいらっしゃるので言葉の壁もあるので、みんなまずは定義を合わせようということは意識しています。
言葉の意味とか定義とかは共通認識をした上で会話は始めるように工夫しています。
そういう文化なんですね。
海外の方もいるので、言語の壁というのもあるんですけど、そこは英語を話せない人とかでしたら社内に通訳してくれる方がいるので間に入ってもらったりすることはできます。
関西からも働けてしまう!
リモートの方と出社している方の比率はどうですか?
ほとんど皆さんリモートじゃないですかね。オフィスへの出社推奨日を設けているグループもあります。
それで全然成り立っちゃうんですか?
成り立ってますね。私はどうしてもオフィスでやらなければいけないイベントとかがあったら出社するんですけど、それ以外は誰かが「今週水曜日に出社しようと思うんだけど」っていう話をしたら、じゃあ私も出社しようかな!とそのくらいの感じですね(笑)。
遠方に住んでいる方もいらっしゃるのでしょうか。
はい。関西や信州、沖縄にも住んでいる方はいます。管理部でも関西に住んでいて必要があれば渋谷オフィスに出社している従業員もいます。
会社の福利厚生としてwork from any where という制度があり、月15万までの交通費は会社から支給されます。環境的にはそういう感じです。
全社での情報共有も活発!
ちなみに御社のサービスに対するユーザーからのフィードバックなども普段から情報として入ってくるのですか?
営業の方々から共有してもらったり、グループや部門を越えた報告会などがあります。
全社的にですか!?
はい。全社で誰でも参加できるようになっています。
管理部もたまに全社説明とかをするんですけど、経理だと新しいインボイス制度の説明とかもやっていました。
インボイス制度って何?消費税って何?みたいな説明をしたりしますね。
では、もうほんとに情報共有が盛んなんですね。
スタートアップ企業だからこその苦労
良いところを聞きましたが苦労したところもお聞きしてもいいですか?
自分の責任の大きさというのはあります。それが良くないという話ではなくて、やっぱりすごく大変な思いをすることはありますね。
そうなんですね。責任が大きいだけに悩むことも多そうですが走りきったあとの達成感、経験値の取得は大きそうですね。
それが楽しめる人がスタートアップ企業に合うのかなって。直近でシステムの入れ替えをしていて、会社の会計システムとか人事・総務系のシステムを統合したんですけど、そのプロジェクトマネージャーとかもさせてもらえて、やっぱりかなり大変でした。そこで失敗もあったんですけど、最後にちゃんとプロジェクトとしては終えることができたので、結果としては良かったかなというのはありますね。普通のというか、大きな会社だと経験できないことだと思います。
経理職から経営企画職への転職実例経理と経営企画の違いは?
経営企画部のマネージャーに手を挙げてなられたということですが苦労もあったのでは?
ありました。私の出発点は経理です。経理ってどちらかというと、過去の情報を正しく、適時適切に開示をするということが大事になります。対して、経営企画は、その結果をもとに分析し、それが何を意味しているのか、将来どうすればいいか、ということを、経営陣に提示して、経営をサポートをする部署であると思うんですね。
「数字を管理する」から、どう使っていくべきかの問題提起まで踏み込む違いですね。
FP&AとIR業務
経営企画のお仕事についてお聞きしてもいいですか?
経営企画の業務は2つあります。1つ目が分析系のFP&A、もう1つがIR業務です。
FP&Aからお聞きしてもいいですか。
FP&Aの業務とは、予算策定、経営数値(KPI)管理や分析、財務モデリングを使った投資の判断などをしていくことなんですけど、数値を管理するだけでなく分析して、経営陣の意思決定に資する情報を提供していくことを目的としています。
経営企画に求められる能力、経験だとかをお話しいただけますか。
例えば、このKPIを見ていただけますか(KPI資料を指しながら)
スプレッドシートにまとめてこのように表現するのは経営企画なんですけど、これを見て何ですか、どういうことなんですかっていうのが分かる人っていうんですかね。この数字は何を語っていて、次に経営者はどんなアクションをしなければいけないんだろうっていうことを想像できる能力が必要なのかなと。
先程の、数字を「管理する」から「使う」の視点ですね。
そうですね、そういう想像力がある人や意見ができる人。そういう感じですね。
もう一つのIR業務は投資家対応です。開示業務や決算説明資料の作成、投資家面談などがあります。決算説明資料の作成については、単純に一人で作っているわけじゃなくて、何人かで作っていくものになるので、これも予算と一緒です。
色々な部署の方が関係してくるのですね。
はい。営業からは事例とかをもらうことになりますし、資料のデザイン戦略などはデザイングループと一緒に作成していくことになります。チームで意見を出し合って、社長やCFOの意見を聞きながら、決算説明資料を作り上げていく。取りまとめていく能力が必要になるのかなと思います。
これだけ見てしまうと、確かに数字の管理と対外的な発信をするところにとらわれがちですけど、そういった他部署との連携は共通してかなり重要なところですね。
そうですね、かなり重要です。(部署横断的な)ここが比較的強いような感じがしますね。
会計の知識があってそれを活かせるからこその楽しさもあるわけですね。
AI insideはまさに仲間を募集中誰もが意識することなくAIの恩恵を受けられる豊かな社会を
今まで石原さん個人のことやスタートアップ企業だからこそのことを聞いてきましたが、AI insideの将来像としてはどのように考えていますか?
大それた感じになっちゃうんですけど、「AIを世界に届ける。」
それを届けて知らない間に社会の皆さんが、生活の中で使っている、溶け込んでいることを実現していける会社なのかなと思います。
1つのこのサービスで!ではなくAIを生活に溶け込んで快適にするところを目指しているんですね。
そうですね。知らない間に使っていて便利になっている。例えば、DX Suite で言うと、とある会社さんは会計システムとか稟議システムの中に DX Suite を入れてくださったんですけど、元々の会社のシステムの中に(同じ目的の機能が)入っているんですよ。そうすると(その機能をDX Suiteで置き換えることで)自社のシステムを使っているのにその中で DX Suite も動いているというような。
気づかないけど便利になっているって、インフラみたいな領域ですね!
AI insideが求める人財像
経営企画の幹部候補と現場職を募集中とのことですが、この記事を読んでくださってAI insideに興味を持たれた会計人に先にお伝えしておくことは?
CFOもそうなんですけど、マネージャーになったとしても、かなりみんな手を動かしながらです(笑)。
役職についたから、手を動かすのはみんなに任せておけばいい、みたいなことは…
絶対にないですね。座ってやれないですね(笑)。
ただ大変だけどやりがいはある仕事なので、そういったことを楽しめる人が、うちも含めてスタートアップ企業にはやりがいとしてあるのかなと思います。
他の企業から移ってきた方で、文化にも慣れていなければ、横断的なこともしたことがないという方もたまにいらっしゃるのでしょうか?
そこは採用時にちゃんとお伝えをしています。お互い認識は合わせるようにしていますね。
チャレンジしてみたいな、でもそういう経験を積んでないけど大丈夫かなとか、多分いろいろ思いながら面接にいらっしゃるんですよね。
そうですね。経理部とか経営企画の人とかでこの記事を見ている人っていうのは、ある程度の大企業の方ですよね。その中でもう少し裁量のある仕事をしたいなって考えている人、あとは経理だと数字を作って終わりっていう悩みを抱えていて、その先にある部分をチャレンジしてみたいなっていう人が向いてるのかなと思います。
面接のときは、数字を扱う素養も大事ですが、それよりもチャレンジ精神やコミュニケーションがちゃんと取れるかというところを見ているんでしょうか。
そういうのを見ていますね。コミュニケーション能力とか、他部署との話し合いができるかとか、向いてるかとか。
その他に何か要素として重要視していることはありますか?
経営企画であれば今だと2、3人ぐらいしかいないので、その2、3人との相性面がすごく重要ですね。
お互いにとって切実なものですよね。
そうですね。8時間も一緒に仕事をしていくわけなので、少人数になればなるほど相性面が良くないと結構苦しいと思うんですよ。
カジュアル面談のご希望大歓迎
そういったものを確かめるべくカジュアル面談を実施中というわけですね!
さっきお伝えしたような、FP&AとIRというのが、幹部候補の方は一通り知っておいてほしいというのもあるんですけど、メンバーの方でしたら、どちらか一方経験をしてみたいとか、経験があって、プラスαで広くやっていきたいという方も探しております。
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