国際税務の実務入門

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国際税務の実務入門

iiはじめにはじめに経済のグローバル化は身近なところまで浸透している私たちの日常生活で、「国際化」ということを今ほど実感することはなかったのではないでしょうか。たとえば、買い物をする場合でも、服や靴は中国産があたりまえで、食品でもサバはノルウェー産、シジミは北朝鮮産、毛蟹はロシア産、野菜も中国産など日本で取れるものでも価額の関係で輸入されている場合が多くなっています。また、アメリカ産牛肉はBSE問題で輸入禁止となり、この影響で「牛丼」が食べられなかったなど、経済のグローバル化が知らない間に身近なところまで広がっています。経済のグローバル化の是非は別として、私たちはすでにこのような状況に巻き込まれ、外国との取引なしには、現在の生活すら考えられないことになっています。また、日本の企業活動を見た場合も、当初は製造業が製造コストの低減のため、日本国内の工場を閉鎖し中国や東南アジア諸国に工場を移設していました。ところが、近年では、ブラジル・ロシア・インド・中国のBRICs諸国だけでなく、インドネシアなどの経済成長が著しい国の国内市場を世界経済が無視できなくなってきています。日本企業も人口減少、デフレの長期化等で今後の発展が望みにくい国内市場から、これらの新興国を低コストの製造地としてではなく、製品の販売市場として位置づけて、資本の集中の対象としています。これらに伴い、日本国内の雇用情勢も深刻な状況となってきています。そして、このような流れは、決して上場会社のみのものではなく、中小企業も巻き込んで今後も加速すると思われます。このような状況で、日本も環太平洋戦略的経済連携協定(Trans Pacific Partnership(TPP))への参加も検討されているとこで