国際税務の実務入門 page 3/16
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概要:
国際税務の実務入門
はじめにiiiす。国際税務に関する疑問や事案の解決には、その前提となる基礎概念の理解が必要ここで、視点を変えてみますと、税金は森羅万象あらゆる取引に対してかかわりを持ちますので、このような経済のグローバル化によりかなり影響を受けることになります。ところが、経済はグローバル化しても、税金が自動的にグローバル化される訳ではありません。「税金は経済に対して中立」であるべきとの理念があり、理想としては全世界どの国で生活しても同じ税負担で済むということになります。しかし、現実には各国でそれぞれ経済状況等が異なり、それぞれの租税政策があり、税率ひとつにしても統一されている訳ではありません。もちろん、理想に近づくために、OECDの租税委員会や租税条約などで調整する努力はされていますが、税法は各国で独自に規定されている部分が多いのが現実です。経済のグローバル化が進むなかで、「税金」はあくまで国境の中だけの問題という側面があり、このギャップから、納税者だけでなく税理士にとっても、海外進出等において課税上問題ないと思って決めた取引でも、後で予想もしない税金の問題が生じる場合や思わぬ落とし穴に落ちることがあります。特に、国際取引に関する課税(国際税務)の世界では、両方の国に税金を取られてしまう(二重課税)も生じます。そのインパクトはかなりのものになることが考えられ、そんなことならこの取引は初めからやらなかったという泣き言を漏らすことになりかねません。また国際税務は国内の税法の知識だけでは役立たず、逆に誤った結論を出してしまうことがあり、租税条約等を含めてある程度体系的に勉強しないと危険な面があります。実際に、税理士や実務家が国際税務に関して何かを調べるとすれば、質疑応答集で調べる場合が多いと思いますが、これらの書籍自体がある程度国際税務の知識がないと理解できない