【第7版】法人税等の還付金・納付額の税務調整と別表作成の実務

【第7版】法人税等の還付金・納付額の税務調整と別表作成の実務 page 14/30

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【第7版】法人税等の還付金・納付額の税務調整と別表作成の実務

12「留保」とは、次期以降の所得計算に影響を及ぼす税務上の貸借対照表項目である。「社外流出」とは、留保以外の項目である。主に、次期以降の所得計算に影響を及ぼさないその期だけの社外に払い出された項目が該当する。まず、留保の意味を次の設例によって詳しくみてみることにする。設例決算が確定した後の申告段階で、売上計上もれ500万円と外注費計上もれ200万円が発見されたので、法人税申告書別表四で500万円を加算記入し、200万円を減算記入して申告調整をした。留保の意味その1実際に行うことはないが、設例の申告調整を税務上の修正仕訳をするものとみなしてもらうと理解が早い。設例について税務上の修正仕訳を想定すると次のようになる。税務上の修正仕訳(借)売掛金5,000,000(貸)売上5,000,000(借)外注費2,000,000(貸)未払金2,000,000貸方に仕訳した売上が申告調整では加算、借方に仕訳した外注費が申告調整では減算となり、それぞれその相手勘定科目は借方に「売掛金」、貸方に「未払金」という貸借対照表科目が生じる。このように申告調整(税務上の損益修正仕訳)の相手勘定が貸借対照表科目となるものが「留保」である。留保の意味その2留保にはもう一つの意味がある。これを先の設例を基に翌期の処理で確認してみよう。設例では、当期の決算で売上と外注費の計上をしなかったが、翌期の早い時期の段階で上記と同じ仕訳処理をして会社側で売上と外注費の計上をするはずである。この会計処理について翌期に税務上何の調整もしなければ当期・翌期をとおして売上と外注費がそれぞれ二重に計上されることになるので、翌期に次のような申告調整が必要となる。別表四で加算―前期外注費計上もれ当期否認2,000,000円別表四で減算―前期売上計上もれ当期認容5,000,000円