ブックタイトル判例裁決から見る加算税の実務
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判例裁決から見る加算税の実務
3 通則法65条4項15《事例7》 通達が出る前にその内容を知りうる特段の事情 があったとした事例 × 〔確定〕(高松地裁平成7年4月25日判決 訟月42巻2号370頁) 本件は、保険代理業等を営んでいた原告(甲)が、新たに発売された介護費用保険に係る保険料を全額損金に算入して法人税の申告をしたことに対して、課税庁が保険料の一部の損金算入を否認して更正処分をするとともに過少申告加算税を課した事例です。 甲が申告書を提出したのが平成2年1月31日であったのに対して、この介護費用保険の取扱いを示した通達(本件通達)は、平成元年12月16日付で出されていました。このような状況で、甲は、本件通達が早く出されていれば解釈上の混乱が回避できたはずである等と「正当な理由」を主張しましたが、裁判所は、甲が代理店等の業務を行っていた保険会社から、本件通達(案)を解説した機関誌が確定申告までに甲に配布されていたと推認しました。その上で、甲は確定申告期限までに、保険会社の機関紙という極めて確度の高い情報により、本件通達の内容を十分知り得た可能性が高く、本件通達に基づいて会計処理をすることができたものというべきであり、甲の行った確定申告は独自の見解に基づくものというほかないとして、甲の主張を排斥しました。《事例8》 従前は課税対象ではなかった株主優待金に関して 「正当な理由」があるとした事例(名古屋地裁昭和37年12月8日 行例集13巻12号2229頁)〔事件の概要〕 本件における納税者(甲)は、株主のみに融資する貸金業(いわゆる株主相互金融)を業とする株式会社であり、甲が支払った株主優待金が法人税の計算上損金算入されるか否かが争いとなっていました。