ブックタイトル判例裁決から見る加算税の実務
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判例裁決から見る加算税の実務
国税通則法65条《過少申告加算税》18第1章礎とする修正申告書が提出された場合において、当該財産が相続財産に属さないか又は属する可能性が小さいことを客観的に裏付けるに足りる事実を認識して期限内申告書を提出したことを納税者が主張立証したときは、国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるものとして、同項の規定が適用されるものと解すべきである。」と述べています。したがって、所有権の帰属につき係争中であっても、一定の証拠がある場合には「正当な理由」が認められる余地があります。《事例10》 遺産かどうか係争中の財産を除いて申告をしたものの「正当な理由」が認められなかった事例 ×(大阪地裁平成5年5月26日判決 税資195号544頁) 本件の納税者は、主張の理由として、①係争中の財産は法律上の帰属が未確定な状態であって、そのような事情は災害などの納税者の責めに帰せられない外的事情と同視しうるということ、②判決が確定するまでは、納税者としては、問題の財産を申告する必要がないと考えるのが通常であるから、申告義務を課すべきではないということ、③税理士のアドバイスによるものである上、申告書に「勝訴確定時に修正申告をする」旨の付記があること、④相続税の調査等で税務署職員と会った際に係争中の財産を含めていないことが過少申告加算税の対象となるとの指摘がなかったことを述べています。しかし、いずれの主張も認められませんでした。《事例11》 過納金の還付を求める権利を相続財産に含めずに申告したことに「正当な理由」を認めた事例(国税不服審判所平成17年6月20日裁決 裁決事例集No.69・217頁)〔事件の概要〕 本件は、請求人(甲)が亡母(A)から相続により承継した課税処分取消訴訟の確定に伴う還付金等を相続財産に含めていなかったことについて、更正処分の上、過少申告加算税が課せられた事例です。