Q&A法人税と消費税の異同点

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概要:
Q&A法人税と消費税の異同点

61総論持分の割合又は利益の分配割合に対応する部分につき、それぞれ資産の譲渡等又は課税仕入れ等を行ったことになります(消基通1-3-1、福岡地判・平成11.1.26税資240号222頁参照)。これは、上記法人税の任意組合に対する課税処理の考え方と同じであり、上記「総額方式」を予定しています。消費税の課税対象の一つは資産の譲渡等であり(消法4)、その課税標準は課税資産の譲渡等の対価の額です(消法281)。「中間方式」や「純額方式」によると、資産の譲渡等又は課税仕入れ等の額の各構成員への取り込みが完全にはできません。その結果、免税事業者の判定や簡易課税制度の適用の可否などが違ってくる可能性があります。その意味でも、消費税は「総額方式」によるべきことになります。《参考判例》○組合の場合、組合そのものは法人格を有しないから、権利義務の主体は組合員であることになり、したがって、本件企業体に生じた権利義務は、組合員である各構成員に直接的に帰属していることになる。事業者は、消費税を納付する義務があるが、右の事業者とは、個人事業者及び法人をいい、民法上の組合はこれに含まれないから、民法上の組合である本件企業体は、独立した消費税の納税義務者には当たらない。しかしながら、組合が資産の譲渡等を行った場合は、組合が法人格を有しないことから、その権利義務が組合員に帰属することになり、右の場合、消費税は組合員がその持分の割合又は利益の分配割合に応じて負担すべきものである。したがって、消費税法基本通達1-3-1の定める取扱いは、正当なものとして是認することができる(福岡地判・平成11.1.26税資240号222頁)。