ブックタイトルQ&A 「個人事業の税務」

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概要

Q&A 「個人事業の税務」

開業費の額60×開業年分の営業月数で求められる金額を開業年分に開業費償却として費用計上します(所令1371)。ただ、この算式で求められる開業費償却の額を開業年分に必ず計上しなければならない、というものではありません。繰延資産の額つまり開業費の金額の範囲内ならば、計上する開業費償却の金額は自由に決めていいことになっています(所令1373)。これが任意償却です。一般的には、経費を実際に支出した年分ではなく任意の年分に計上することは、恣意的な利益操作として禁じられているのですが、この開業費はそれが許される数少ないケースです。開業年分は初期投資が多くて赤字になることが少なくありませんが、開業費償却の額を経費計上するまでもなく利益が出ないのなら、その年は計上を見送り、何年か後に青色申告の純損失の繰越控除をしても利益が出て納税額が発生すると見込まれる年分に開業費償却を計上すれば、合法的に節税が可能となります。その期間は税法には明文の規定は有りませんが、国税庁ホームページでは、繰延資産の未償却残高はいつでも償却費として必要経費に算入することができるとしています(質疑応答事例「償却期間経過後における開業費の任意償却」)。事例5開業時に従業員を雇った場合に必要な手続等質問個人で事業を始めるに当たり、青色申告にして妻を事業に専従させることにしたほか、アルバイトを数名雇うことにしました。これらの人たちには当然給与を支払うことになり、源泉徴収の義務が生ずることにな8