ブックタイトルQ&A 「個人事業の税務」

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概要

Q&A 「個人事業の税務」

されている方は、申告する必要はありません。事業所得が赤字で、給与所得や退職所得がある場合、事業所等の赤字は給与所得や退職所得と損益通算ができます。したがって、サラリーマンの場合、給与の支払先が1か所だけで年末調整がされていれば、ほとんどの方は申告の必要がありません。しかし、医療費控除の適用を受ける場合や住宅借入金等特別控除の適用を初めて受ける場合、あるいは住宅や家財に地震や風水害により損害を被って雑損控除の適用を受ける場合など、年末調整では精算できないような所得控除が発生した場合には、源泉徴収税額の還付を受けるため確定申告をすることができます。一方、事業所得の方は、納付すべき税額がなければ原則として確定申告の義務はないのですが、青色申告者で損失(純損失)が発生した場合や雑損控除が発生し、その全部または一部を翌年以降に繰り越す場合には確定申告書を提出することができます。ご質問の場合、給与から所得税が源泉徴収されていたのであれば、年の途中で退職された場合、年末調整を行っていないことから、確定申告をすれば税金の還付を受けることができるものと思われます。また、事業所得について青色申告をしている場合、事業所得の赤字と給与所得とを損益通算してもなお赤字(純損失)の金額が残る場合には、確定申告をすることでその赤字の金額を翌年以降に繰り越すことができます。さらに、国民健康保険料(税)は、所得金額割(所得金額の多寡)、均等割額(被保険者の数)、平等割額(1世帯当たりの額)、資産割額(固定資産税額に応じた額。市区町村によりないところもあります。)の合計額で計算されるため、年間の所得金額が多くなれば、国民健康保険料(税)も多くなります。したがって、損益通算することにより総所得金額が少なくなりますと国民健康保険料(税)も少なくなりますので、申告の義務はなくとも申告すべきであると考えられます。18