月次決算書の見方・説明の仕方

月次決算書の見方・説明の仕方 page 17/22

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月次決算書の見方・説明の仕方

1 月次決算の見方は未来志向経営データの読み方としては、現状分析と変化分析があります。具体的に検証してみましょう。たとえば、A社の今年月(X01年月)の売上高が150百万円、営業利益が15百万円だったとします。現状で売上高営業利益率が10%もあるのですから、高収益です。問題がないと考えて良いでしょうか。「売上高営業利益率が10%もある」という点について考えてみましょう。この数字は悪い数字ではありません。むしろ高収益率の会社といえるでしょう。ただし今後も維持できるのかどうかまでは分かりません。「そんな将来の数字まで分かるわけがない。」そんな声が聞こえてきそうですが、実は分かる場合もあるのです。もし年前の同月、X00年月の売上高が100百万円で営業利益30百万円であったとしたら、どうでしょう。現在は売上高が1.5倍となっていますが、営業利益は/の水準に落ちています。つまり、「増収・減益」です。成長企業においては、設備投資はもちろんのこと、人の増員や事業スペースの拡大、研究開発や広告宣伝など、短期的には収益性を犠牲にすることとなっても規模拡大を進め、「増収・減益」となる場合も少なくありません。ただし、これは短期的に容認できるパターンであって、他の月次においても同様に減益が続いているとしたら見方を変える必要があります。月次決算データは見逃すことができない重要な警告を発しているのです。それは赤字への警告です。当然のことですが、赤字の警告は黒字の段階で発せられます。このままでは、A社は赤字会社になりかねません。なぜ赤字会社になるのか、数字によって検証してみましょう。2