ブックタイトルアジア 税の基礎知識

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概要

アジア 税の基礎知識

はじめに「相手を知らずして相手を論ずる危うさ」明治時代後期から大正時代期、先進国グループに入りつつあった日本は中国を上から目線でとらえ、一方、植民地支配に苦しむ中国は支配国グループの一員となった日本に敵意をもつようになっていました。このような状況に対し、夏目漱石や吉野作造は、それぞれの国が相手国、相手国民のことを知らず、理解せず、情報宣伝や風評に沿って相手への悪意を高めていることを戒めています。残念ながら、その後の歴史は、こうした戒めが生かされることなく今日まで続き、今も相手を知らずして相手を論じ、行動し、種々の困難、軋轢を生じています。日本企業がアジアをはじめとした海外へ進出する場合にも、相手の制度、実情を知らずに進出しトラブルを生じ、相手からも日本企業の活動、貢献について理解を得られずに円滑な事業に支障を生む場合もあります。日本企業が進出先国(地域)を知り事業展開を図ること、同時に、進出先国(地域)からも日本企業を知ってもらい相互理解、相互信頼に基づく事業展開が広がることが必要です。本書は、同種の書として、2009年に出版(2013年に改訂)された拙著「中国税の基礎知識」のアジア各国(地域)版として企画されたものです。日本との経済交流の拡大が見込まれるアジアの主な11の新興国(地域)に焦点を当て、それらの税制、税務行政の概要を紹介しています。アジア進出に当り、多くの日本企業が経験する困難の一つである税の問題にi