逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント

逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント page 22/32

電子ブックを開く

このページは 逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント

Ⅰ 居住用財産の譲 渡   13本件建物の持分4 分の3 が兄に贈与された。兄は、遅くとも同年までに、妻や子とともに、本件建物に居住するようになった。? 増築後の本件建物の構造は、1 階に共用部分と4 部屋の居室が設けられるとともに、2 階には2 部屋の居室が設けられていた。? 乙(父)の死亡後、相続人間で、乙(父)の相続財産に関する遺産分割協議がされたが、平成13年4 月に兄が死亡したため、いったん遺産分割協議が中断した。 その後、平成15年6 月ころから、乙(父)の相続財産に関する遺産分割協議が再開されたところ、同月当時、原告(長女)及び丁(兄の妻)が本件建物に居住していた。なお、原告(長女)及び丁(兄の妻)が本件建物に居住していた間、本件建物への水道及び電気の供給に係る契約は丁(兄の妻)名義でされていたが、原告(長女)は自分の負担すべき分として、兄の死亡後はその半額を丁(兄の妻)に対して支払っていた。? 遅くとも平成15年8 月ころまでには、乙(父)の相続財産であった本件建物の持分及び本件土地に関する遺産分割の方法として、①本件土地を2筆の土地に分筆し、その一方を原告(長女)が、他方を丁(兄の妻)が取得すること、②本件建物の持分4 分の1 を原告(長女)が取得すること、③本件建物のうちおおむね原告(長女)が取得する土地上にあるその使用に係る部分を取り壊すことが検討されるようになった。? 平成15年11月ころ、乙(父)の相続財産について、原告(長女)、弟、丁(兄の妻)、兄の2 名の子の間で遺産分割協議が成立し、原告(長女)が分筆される予定の本件土地の所有権及び本件建物の持分4 分の1 を取得する一方、丁(兄の妻)が上記の分筆後の残りの土地の所有権を取得するものとされた。なお、兄が生前有していた本件建物の持分4 分の3 は、兄の死亡に伴い丁(兄の妻)が相続により取得していた。? その後、本件土地について上記各登記がされ、原告(長女)は、遅くとも平成16年6 月ころまでの間に、本件建物から転居した。? 平成16年6 月末から同年7 月初めころまでの間に、本件家屋部分の取り壊しがされた。取壊後の本件残存家屋部分の1 階には本件共用部分及び2部屋の居室が残存するとともに、その2 階には取壊前の居室が従前どおり残存した。そして、丁(兄の妻)は、上記取壊後の本件残存家屋部分に居