逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント page 23/32
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逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント
14 判例各論住し続けた。 なお、本件家屋部分を取り壊した旨の表示の登記の変更登記は、同年8月17日付けで、同年7 月20日の変更等を原因としてされた。? 原告(長女)は、平成16年7 月7 日、本件建物の持分4 分の1 につき、丁(兄の妻)に対し、同月3 日の贈与を原因とする所有権移転登記手続をし、その後に、?に述べたように本件建物につき表示の登記の変更登記がされた。5 地方裁判所と高等裁判所の判断? 法令の解釈地方裁判所高等裁判所【争 点 ①】 個人が、その居住の用に供している家屋の敷地の用に供されている土地の一部を更地として譲渡するために当該家屋の一部を取り壊し、その取壊し部分の敷地の用に供されていた土地の部分の譲渡をした場合については、旧措置法35条1 項の文理のほか、建物の所有権その他の権利の対象としての特性に照らし、同項にいう家屋の譲渡が当該家屋の全体の譲渡を意味するものと解されることを勘案すると、当該家屋の全体が取り壊された場合と当然には同列に論じ難いが、この一部の取壊しが当該部分の敷地の用に供されていた土地の部分を更地として譲渡するために必要な限度のものであり、かつ、上記の取壊しによって当該家屋の残存部分がその物理的形状等に照らし居住の用に供し得なくなったということができるときは、当該家屋の全体が取り壊された場合に準ずるものと 問題となるのは、本件のように、土地建物について共有持分を有する個人が、その居住の用に供している家屋部分の敷地に相当する部分を分割取得し、これに代わる居住資産を取得するために、当該居住の用に供している家屋部分を取り壊し、そのうえで分割取得した土地を更地で譲渡した場合である。このような場合についても、個人が自ら居住の用に供している家屋又はその敷地等を、これに代わる居住用財産を取得するために譲渡するという点では同じであり、一般の資産の譲渡に比して特殊な事情があり、担税力も高くないということができるものである。 確かに、旧措置法35条1 項の文理のほか、建物の所有権の権利の対象としての特性に照らし、同項にいう家屋の譲渡が当該家屋の全体の譲渡を予定しているとはいえるが、一方で、建物については、一棟の建物で