逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント page 26/32
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逆転裁判例にみる事実認定・立証責任のポイント
Ⅰ 居住用財産の譲 渡 17物それぞれについて共有持分を有し、同建物に居住する者同士が、お互いの共有持分に相当する土地部分の分割に加え、建物についてもお互いの取得する土地上の建物部分についてこれを建物として区分することに合意し、そのうえで一方が自らが分割取得した共有土地部分上に存する建物部分を取り壊したうえで、その敷地に相当する共有土地部分を譲渡し、他の共有者が同じく分割取得した土地上の残存家屋について単独で所有権を取得し、その結果、分割取得した共有土地部分を譲渡した共有者が建物の共有持分を喪失したと認められる場合においては、これを全体としてみる限りは、共有者の一人が自らの土地上に存する自らが所有し居住する建物を取り壊したうえで、その敷地部分を譲渡した場合と同視することができるというべきである。 もっとも、建物所有権の取得という点について、これを厳格にみた場合、取り壊しの対象となる建物部分についても区分建物としての要件が備わっていることが必要となるが、物理的な意味では、建物の分割は可能であるというべきであって、上記のような一連の手続をとり、共有当事者間の合意を経て最終的には建物部分の取り壊しに至ることからすると、あえて、そこまでの要件を求めるのは相当とはいえないから(本件特別控除を受けるためだけに、いったん区分建物としての形状を整えるための工事をし、そのうえで建物を取り壊せとは言い難い。)、建物部分取り壊しの結果、分割取得した共有土地部分を譲渡した共有者が建物の共有持分