【改訂】会社「経理・財務」の基本テキスト〈1〉

【改訂】会社「経理・財務」の基本テキスト〈1〉 page 2/16

電子ブックを開く

このページは 【改訂】会社「経理・財務」の基本テキスト〈1〉 の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
【改訂】会社「経理・財務」の基本テキスト〈1〉

はしがき◆「経理・財務イコール簿記・会計・税務」ではないのです経理・財務を学ぶというと、真っ先に思い浮かぶのが、「簿記」「会計」「税務」のことではないでしょうか。それはそれで一面では正解だと思います。会社の経理・財務の仕事には、簿記も会計も税務も不可欠ですから。ただし、それがすべてではありません。生きた企業の経理・財務の仕事には、簿記・会計・税務以外のさまざまな業務や手続きがあります。例えば、掛で商品を売った場合、簿記的には<売掛金/売上高>の仕訳が立つだけですが、その裏あるいは前後で、与信管理、受注契約、請求、代金決済(回収)など、さまざまな売掛債権に必要な管理業務・手続きがあります。つまり、簿記・会計・税務だけを学ぶだけでは、経理・財務を学んだことにはなりませんし、経理・財務の仕事の全体像を把握することは難しいと思います。また、最近はグローバル競争の中で業務の効率化が要請されており、そのための分社化や一部外注化、IT 化によって経理・財務の全体像を把握することが、なかなか難しくなってきています。◆画期的な「経理・財務サービス・スキルスタンダード」経済産業省は2004(平成16)年5月27日に「経理・財務サービス・スキルスタンダード」(スキルスタンダード)を公表しました。これは、事業支援サービス市場の構築を目的に同省が進めている事業の一環としてとりまとめられた研究成果です。詳細は省きますが、同事業の最初に選ばれた分野が「経理・財務」分野です。サービス市場構築の担い手としての期待の高さがうかがえます。このスキルスタンダードは、経理・財務の業務プロセスを標準化・可視化し、さらにその業務に必要なスキルを具体的に明らかにした点が非常に画期的です。昨今の経理・財務業務に携わるビジネスマンは、自らが携わる業務のなかでどのようなリスクが存在しそれらに対してどのような統制(コントロール)が必要となるのかを理解する内部統制管理のスキル向上が強く求められています。それらの社会的ニーズに対して、経済産業省は、2008年(平成20)年2月に既存のスキルスタンダードに内部統制に関する分野(リスクとそのコントロール等)を付加した「経理・財務スキルスタンダード2.0」を公表しました。スキルスタンダードは、経理・財務における共通言語を抽出し、シェアード・サービスやアウト・ソーシング、人材派遣など、企業に対する事業支援サービスの提供を円滑化することによって、サービス市場の成長を促すことが目的です。それに加えて、企業自身も、スキルスタンダードを利用することによって、自社の経理・財務業務を見直したり、改善したり、業務プロセスが未完成の場合にはその構築の参考にしたりするなど、さまざまな活用方法が考えられます。◆経理・財務業務の基礎を学ぶ絶好のテキスト!本テキストでは、このスキルスタンダードをベースに、経理・財務業務に必要な手続きや知識を― 1 ―