税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税

税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税 page 16/22

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税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税

16 1相続税,贈与税はどんな税金か?相続税が課税される理由さて,私たちは,毎年の所得に対しては所得税を負担しています。そして,所得税を支払った残りの部分は消費に回され,それでもなお残余があれば,財産として蓄積されることになります。相続税は,この蓄積された財産に対して,その人の死亡を機会として課税するものですが,生存中は毎年所得税が課税され,死んでもなお税金というのは,いささか酷なことだ,と考えられなくもありません。では,なぜ相続税が課税されるのでしょうか。これにはいろいろな考え方がありますが,一般的には次の2つがあるといわれています。1富の再分配説これは,特定の人に集中した富を社会に還元させようというものです。つまり,国民は本来,経済的にみて機会均等であることが望ましく,そのためには,少数の人に集中した財産は,何らかの機会に社会に再分配してもらわなければなりません。そこで,その人の死亡という機会をとらえて,国家がその財産の一部を徴収し,これを社会に還元させることが適当であるとする考え方です。2所得課税清算説これに対して,所得課税清算説とは,その人の一生の所得税を清算するという趣旨です。特定の人が大きな財産を残せたのは,税制上のいろいろな特典を利用したり,合法か非合法かにかかわらず,ある種の課税もれがあったことによるとも考えられます。そこで,その人の死亡という最後の機会に相続税を課税し,その人の一生の税金を清算してもらおうという考え方です。2どの程度の遺産があれば相続税が課税されるのか?相続税は相続人の数によって異なる相続税は,死亡した人の財産,つまり遺産に対して課税されるものですが,