税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税

税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税 page 20/22

電子ブックを開く

このページは 税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税 の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
税務サンプル|平成29年版 わかりやすい相続税贈与税

20 1相続税,贈与税はどんな税金か与については贈与税を課税することとし,相続税が課税される人との均衡を保っているわけです。したがって,相続税を少なくするために生前贈与を多くすれば贈与税が重くなり,逆に,贈与を一切行わないとすればその分だけ相続税負担が重くなる,というわけで,両者は相互に密接な関係を持っていることになります。この両者の関係を,一般に,贈与税は相続税の「補完税」である,と称しています。?相続税・贈与税と相続時精算課税制度ところで,相続税と贈与税を密接に関連付ける制度として「相続時精算課税制度」とよばれる課税のしくみがあります。この制度は,贈与者の相続時にその贈与者からの生前の贈与財産価額をすべて受贈者の相続財産の価額に合算して相続税を課税するものです。これは,財産の贈与を相続の前渡しと考えて,贈与時の課税を軽減する代わりに,相続時に財産課税の精算を行うものであり,「相続税と贈与税の一体化措置」と位置付けられています。その内容は後述(151ページ)しますが,相続税と贈与税の関係を端的に表わす制度といえるでしょう。4相続税と贈与税の違い?税率は贈与税の方が高い同じ税法の中にある2つの税金ですが,税率はまさに天と地ほどの開きがあります。まず,課税最低限である基礎控除額が全く違います。相続税の方は,最低(相続人1人)でも3,600万円で,相続人が1人増えるごとに600万円ずつ加算されることになっていますが,一方の贈与税は,財産の価額に関係なく1人年間110万円と決まっています。わずか110万円ですから,これを超える財産をも