ブックタイトルゼロからはじめる「家族信託」活用術

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概要

ゼロからはじめる「家族信託」活用術

1事業承継等の問題点とその背景2遺言遺言者が単独で法律で定められた方式で作成する方法です(民法960)。生前贈与と異なり、契約ではなく遺言者の単独行為です。法律で定められた事項について遺言者の死亡により効果が発生します。法定相続人の遺産分割協議によらず、自分が亡き後の資産承継先を生前に決めることができます。また、遺留分減殺請求が行われた場合、どの財産から対象にしていくのかといった順序指定等(民法1034)、遺言でしかできない事項も定められています。遺言は本人が亡き後の資産承継について決めることができる制度ですが、あくまで本人の遺言であるため、二次相続以降の妻や子等の第三者まで効力を及ぼすことはできません。もし、遺言で二次相続以降の承継先を決めたいのであれば、妻や子にも協力して遺言を作成してもらう必要があります。遺言は死亡により効力が発生するため、生前には効力は生じません(民法9851)。他方で、本人が認知症になってしまうと、遺言があっても財産の管理(不動産や自社株式の管理、売却、議決権行使等)ができなくなります。また、生前であれば遺言はいつでも撤回、書換えができるため(民法1022)、元気なときに作成した遺言も亡くなる直前に、悪意ある親族が本人の遺言の書換えをするリスクなどもあることから、後継者の立場からすると不安が残ります。遺言と遺言作成後の不動産の処分や預貯金の払戻しなどによる生前処分行為が抵触した場合には、作成した遺言を撤回したものとみなされます(民法10232)。遺言は遺言者の死亡によって効力を生じるため、その死亡前にした生前の行為のほうが当然に優先されるからです。また、遺言の存在を知らずに後述する成年後見制度を利用すると、遺言5