ブックタイトル税務サンプル|債権法改正と税務実務への影響

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税務サンプル|債権法改正と税務実務への影響

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税務サンプル|債権法改正と税務実務への影響

第1章錯誤9(『法律用語辞典〔第4版〕』(有斐閣,2012年))。「意思表示」の例としては,たとえば契約を締結する場面でいうと,一方当事者の相手方当事者に対する契約の申込み,これに対する相手方当事者からの申込みの意思表示をした当事者に対する承諾などが挙げられます。「法律行為」というのは,契約を締結する行為のように法律上の効果を発生させる行為のことをいいます。「法律行為の要素に錯誤があった時」とは,ただ単に錯誤があればよいというのではなく,同じような立場におかれた通常の人からみても,当該錯誤がなければ法律行為(契約締結)を行うことはなかった(「因果性」),といえるほどの重大な錯誤(「重要性」)があった時をいう,と解されています(大判大正7年10月3日民録24輯1852頁など)。このような錯誤があったとされると,申込みあるいは承諾といった意思表示が「無効」となり結果として契約も無効となります。「無効」の意味としては,予定された効力を発生させない,ということはおわかりになると思います。この言葉を専門的に更に整理すると,当事者が取り消すとの意思表示を行ってはじめて効力がなくなる「取消し」とは区別され,当事者が何か特別なことをしなくても最初から当然に予定された効力が発生しないことを意味します。特別なことをせずとも無効なのですから,「最初から効力がありません」と当事者が主張しさえすればよいのです。「取消し」の場合と異なり,いつまでにこういった主張をしなければもはや無効といえなくなるといったような期間制限も設けられていません。たとえば,賭博といった犯罪行為に関係する金銭消費貸借契約は,犯罪行為を助長する契約として公序良俗違反の契約とされていますが,これについては初めから「無効」とされており(民法90),誰からでも期間制限なく,無効であるとの主張を行うことができます。こ