ブックタイトル実例で見る「相続」の勘どころ

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概要

実例で見る「相続」の勘どころ

2解説配偶者が先に死亡している場合の相続などで、相続人が子、孫、養子などの立場の方1名のみであった場合は、その1名が唯一の相続人となります(ケース1)。被相続人に配偶者はいるが子などがなく、両親も先に死亡していた場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。被相続人が遺言書を残していなければ、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります(ケース2)。この場合で「配偶者にすべてを相続させる」という内容の遺言書が遺されている場合は、兄弟姉妹に遺留分の減殺請求権がないことから、事実上配偶者が唯一の相続人となります(ケース3)。・ケース1の場合は法定相続人が1名であることから、遺産分割協議書を作成する必要性はありません。・ケース3の場合も事実上の相続人が1名のみとなることから、遺産分割協議書の作成は必要ありません。・ケース2やその他の場合で、相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書の作成が必要となります。今回の事例のように、遺言書が遺されており、他の相続人がその内容に異議を唱えず、遺留分の減殺請求も最後まで行われないケースであれば、遺産分割協議書の作成は必要ありません。しかし、民法では、遺留分の減殺請求の期限は遺留分権利者が、相続の開始があったことを知ったときから1年であり、相続税の申告期限である10か月よりも2か月も長く設けられています。また、相続税法には「小規模宅地等」や「配偶者の税額軽減」などの特例適用においては「遺産分割協議書」などの添付が要件となっているものがいくつかあります。