ブックタイトル実例で見る「相続」の勘どころ

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概要

実例で見る「相続」の勘どころ

はしがきIII「祖父の相続の時は〇〇だったので、今回の祖母の相続も〇〇としたいと考えます」、「親戚の相続の際は〇〇だったそうです」のようなご依頼もありますが、当時とは法律改正があったり、相続人の人数が違ったりと、同じご家庭の相続であっても「以前と同じ」が通用することはありません。それどころか、年間1,000件以上寄せられる相談や依頼の中に「あの事例と似ている」事例はあっても、「まったく同じ事例」はなく、同じプロセスや方法で解決できる事例はほぼ皆無といっても過言ではありません。税務における財産の評価、例えば土地そのものの評価額が同じになったとしても、遺産分割の結果、相続する人や利用方法が違えば最終的な評価額は変動しますし、特例適用の可否により負担する税額は変わります。法務においては、法定相続分という分数で表される数値は同じになっても、その相続人が未成年者である場合や、農業相続人や事業承継者であるか否かで答えは同じにはなりません。相続税の申告・納税期限は10か月であり、その期限までに算出された税額が、たまたま同額になる事例であっても、その10か月の間に行うべき作業内容も手順も同じではなく、その個別事例ごとに「よりベター」な内容や手順の模索をし続けなければなりません。ある日、突然起こる、大切な家族を亡くしてしまう「相続開始」という出来事に始まり「遺産分割を中心とした家族内での円満解決を目指したな話合い」、「より適正な相続税申告と税負担」、「相続財産の名義の変更を中心とした財産の承継手続き」という処々の出来事は、それほどまでに個別的要素が沢山あり、ひとくくりに「相続関連の税務・法務」といっても、他の税務や法務に比べて専門性が高い分野となります。