ブックタイトル税務サンプル|五訂版 事業承継・相続対策の法律と税務

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税務サンプル|五訂版 事業承継・相続対策の法律と税務

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税務サンプル|五訂版 事業承継・相続対策の法律と税務

?事業承継の本質Ⅰ事業承継とは5冒頭で、非上場会社の事業承継を一言で言うと「会社の『財産(権)』と『経営(権)』の後継者へのバトンタッチ」と表現しましたが、現代の事業承継におけるその意味を考えていきます。まず「財産(権)」ですが、会社の財産という捉え方をすると、有形の財産のほか、顧客、ブランド、技術力、人材、ノウハウ、特許等の無形の財産など様々あります。しかし、事業承継という局面で考えると、それらが集約・構成されたものとして表された「株式」といえるのではないでしょうか。なお、会社の財産の全部や重要な事業を他社に譲渡することもありますが、それも広い意味では事業承継といえます。また「経営(権)」は、その会社の経営そのものであり、具体的には、会社の様々な有形・無形の財産を使用する権利のほか、経営者として必要な資質、覚悟、経営理念、経営ノウハウなども含まれると思われます。これは財産権に比べ承継が難しく、後継者次第でもあり、現経営者と後継者がまったく同じ人格を持ち、経営をするというのはあり得ないため、そういった意味でも何代も続いている長寿企業には瞠目されます。事業承継は、株式を承継したからといって自動的に経営権も引き継げるというものではなく、経営権の承継ができないと会社の存続は困難になり、そうなると財産的価値はなくなります。つまり、株式と経営権を一緒に承継してこそ真の事業承継といえます。そして、これらを承継する「後継者」は、先述した長寿企業にみられるように伝統的にはご子息等の直系の親族がほとんどだったと思われますが、現代は後述するとおり、親族外(役員や第三者等)も増えていますので、広範囲に考える必要があります。このように現代の事業承継は選択肢も広がっており、誰(後継者)に、何(株式、経営権)を、いつ(タイミング)、どうやって(承継方法)バトンタッチするかが焦点となります。また、業績の良い会社ほど株価も高いため、承継において税金問題は非常に重要であり、それも十分に考慮しながら検討する必要があります。したがって、本書で取り上げる税金の問題も含め専門家