ブックタイトル税理士が知っておきたい 民法〈相続編〉改正Q&A

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概要

税理士が知っておきたい 民法〈相続編〉改正Q&A

1配偶者居住権の創設35と」のみとなります。なお、条文上、「被相続人との同居」の要件はありません。被相続人が老人用の福祉施設で療養生活をしていた場合や、被相続人が何らかの事情で別の場所に居住していた場合等もあるからです。ただし、被相続人が相続開始の時に、居住建物を「配偶者以外の者」(例えば、被相続人の子の一人)と共有していた場合には、この限りではありません。次のような場合分けになるものと考えられます。居住建物の共有関係等被相続人の単独所有被相続人と配偶者(注1)Aの共有被相続人、配偶者A、「配偶者以外の者B」の共有被相続人と「配偶者以外の者B」の共有取得可取得不可(注3)配偶者居住権の取得等本制度を適用する場面として最も想定される事例です。配偶者が共有者であるので、配偶者居住権を取得しなくても、配偶者の居住に係る権利は保護されます。しかし、配偶者の居住権の保護の観点からは、配偶者居住権を取得することが望ましいと考えられます(注2)。配偶者が共有者であるので、配偶者の居住に係る権利はとりあえず、保護されます(注4)。配偶者が居住権を確保するためには、被相続人の持分(所有権)の一部又は全部を取得する必要があります。(注1)相続開始前から配偶者が居住建物について共有持分を有していた場合や、配偶者が相続により居住建物の共有持分を取得した場合にも配偶者居住権の成立が認められます。(注2)「共有物の使用」について、「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」(民法249)ので、共有者は各自が共有不動産を使用することができます。したがって、居住不動産の「全部」について使用することができます。