税務QA 2016年10月号

税務QA 2016年10月号 page 6/16

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税務QA 2016年10月号

【国税通則法】新・国税不服申立制度の活用法EY税理士法人税理士三浦恵美平成26年6月、公正性の向上と使いやすさ向上の観点から、行政不服審査法が半世紀ぶりに改正されました。この改正に伴い国税通則法も改正され、平成28年4月1日以降にされる処分から新しい不服申立制度が適用されています。今後行われる税務調査の結果に基づきされる処分は、新しい不服申立制度が適用されることとなります。いうまでもなく、この新しい不服申立制度を有効に活用するためには、改正点や手続きをよく理解しておく必要があります。本稿では、今年7月までの4年間、国税不服審判所において任期付国税審判官を経験した筆者が、新しい国税不服申立制度の活用法について解説します。なお、本稿で述べる内容は、筆者が元国税審判官の経験と視点から述べるもので、あくまでも私見であることをあらかじめ申し添えます。1新しい不服申立制度の概要まず、改正前と改正後の不服申立制度を比較すると、〔図表1〕のとおりとなります。また、改正前と改正後の手続きの流れを図に表すと、次頁〔図表2〕のとおりとなります。それぞれの改正点については後述します。〔図表1〕不服申立制度に係る主な改正改正前改正後不服申立期間(不利益処分を知った日の翌日から)(不利益処分を知った日の翌日から)2か月以内3か月以内異議申立前置の廃止審査請求人が閲覧できる証拠資料等の範囲原則、国税当局への異議申立てを経た後に審査請求国税当局が任意に提出した証拠資料等のみ閲覧の対象異議申立てを経ず直接、審判所長に審査請求が可能に審判所が職権で収集した証拠資料等も閲覧の対象に閲覧資料のコピーコピー不可コピー可審査請求人からの国税当局への口頭質問できない(「口頭意見陳述」の際に)できることとなった2改正内容及び新制度の活用法1不服申立期間の延長(1)改正前の制度の概要納税者が、国税に関する処分について不服申立てをする場合、「異議申立て」(改正後は「再調査の請求」。以下同じ。)という手続きと「審査請求」という手続きが存在します。「異議申立て」は、処分を行った国税当局、すなわち税務署長又は国税局長など(以下「原処分庁」)に対して行うものであり、「審査請求」は、国税不服審判所長に対して判断を求めるものです。「異議申立て」も「審査請求」も、いずれもその不服申立てをすることができる期間が定められています。この期間を不服申立期間と28 zeimu QA 2016.10