PwCあらた有限責任監査法人 リクルートインタビュー


PwCあらた有限責任監査法人
消費財・産業財・サービス部 部長 パートナー 公認会計士/米国公認会計士(ニューヨーク州) 好田健祐
アシュアランス・イノベーション&テクノロジー部 公認会計士 道下寛人
第三金融部(資産運用) 日本公認会計士協会準会員 濱田由有子

<編集部より>
 監査法人の採用担当者と若手の方々に、自法人の強みや、採用に関するポリシー、入社後の感想等を伺う本企画。このページでは、PwCあらた有限責任監査法人(以下、「PwCあらた」)の好田健祐氏(右)、道下寛人氏(中央)、濱田由有子氏(左)のインタビューをお届けする。


<PwCあらた有限責任監査法人>

 卓越したプロフェッショナルサービスとしての監査を提供することをミッションとし、 世界最大級の会計事務所であるPwCの手法と実務を、わが国の市場環境に適した形で提供している。 PwCグローバルネットワークの他のメンバーファームと同様に、 “Build trust in society and solve important problems(社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する)”を存在意義としている。

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1.採用ポリシー
──採用に関する考え方をお聞かせください。

好田健祐氏(以下、「好田」)
 昨今、会計士業界は世の中の動向と同様に売り手市場です。会計士の業態はどんどん拡がり、会計監査に留まらず、アドバイザリーの仕事においても非常にニーズが旺盛であるという状況があります。我々PwCグローバルネットワークの存在意義は「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ことです。この我々の考え方や行動指針に共鳴してもらえるような人にぜひ入って来ていただきたいです。今年は採用テーマに「可能性に挑もう」ということを掲げていますが、試験合格者の皆さんには本当に色々な可能性、昔では考えられなかったような幅広い活躍の場があると思うので、その意味で可能性に挑戦していく意欲を持った人達を仲間に迎えたいと思っています。

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(好田健祐氏)

2.PwCあらたの強み
──公認会計士試験合格者の方は、どの監査法人に入ろうか非常に迷っておられると思います。ぜひ、強みなどを教えてください。

好田
 強みとしては、我々は「ONE PwC」という発想で、監査法人だけでなく、同じPwCネットワークのアドバイザリー、コンサルティング、税務、法務などの各法人、また海外のPwCメンバーファームとも緊密に連携し、非常に垣根が低く、お互いにワンファームの発想で仕事をしているという文化があります。

道下寛人氏(以下、「道下」)
 私自身は大きく2つの印象を持っています。1つは、個人の意見が尊重される組織風土があって、職階に関係なく意見がしやすい環境があるという点。私のような若手スタッフでもパートナーに対して臆することなく意見の主張ができますし、逆にパートナーはその意見にちゃんと耳を傾けてくれると感じています。もう1つは、自分次第でやりたい業務に手を挙げやすいという点です。私はもともと監査を主とする現場にいたのですが、オープンエントリープログラム(OEP)という部署異動の希望を出せる制度を使って監査業務変革部というところに異動し、監査をしながらも、先端テクノロジーの活用による監査品質のさらなる向上を目指す業務に携わっています。異動の際は、温かく送り出してもらえ、かつ、迎え入れてもらえたと思います。

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(道下寛人氏)

濱田由有子氏(以下、「濱田」)
 私もその話に重なりますが、PwCあらたには「スピークアップ」という標語があり、その通り自分が思ったことはどんどん上の人に伝えて、それが本当に良い意見であれば、いくらでも採用してもらえる点は強みだと思っています。キャリアという観点でも、私は合格してから3年目の年に当たるのですが、希望して今年の12月からシドニーオフィスに行かせてもらえることになりました。手を挙げたときにそれを叶えてもらいやすい環境があります。
 あとは、監査だけが私たちの存在意義なのではなくて、クライアントに対して価値を提供するということだったら何でもやりましょうという姿勢が徹底されていて、監査はPwCのバリューを提供するひとつのツールであるという意識が法人全体にあります。PwCの存在意義である「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」ということを、本当に追求しているのだなという実感もあります。

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(濱田由有子氏)

3.制度・環境面
──具体的な制度面や働きやすさについて感じていることをお聞かせください。

好田
 制度では、さきほどのOEPという仕組みがある点が非常に特徴的だと思います。これは毎年1回、社内公募のような形でもし需給がマッチすれば、かなり柔軟に部署異動や進路変更ができる仕組みです。まさに可能性に挑戦する皆さんをサポートするということが、口で言うだけではなくて実際に仕組み的にも担保されているということです。あとはもちろん時短勤務も整備されていまして、家族の構成や自分のキャリア志向に合わせて働き方を変えることができます。PwCあらたの「スピークアップ」というのは、仕事において意見を言い合うということもありますが、それ以上に自分のキャリアをどうしたいかということも含めてのことです。手を挙げてくる人の話は真摯に聞き、それを可能な限り実現しようと動く組織であると思います。自由には責任も伴いますので、それを含めて主体的な人間が育つ土壌があります。

道下
 働きやすさという点では、休みも取りやすいと感じています。私自身、最近育休を1カ月間取得したのですが、取得にあたり特に社内で障害はありませんでした。あとは、他の法人さんもそうかもしれないですけど、勤務時間は定められているものの、各チームの裁量に任せられている部分がありますので、比較的フレキシブルに働くことができると思います。

濱田
 在宅勤務の方も増えていると感じますし、私にとっては女性のロールモデルが一定数存在しているというのは大きいです。マタニティ・リーブから戻られた方が結構マネージャークラス以上の方にもいますので、自分のライフプランに合わせてちゃんと働き方を調整できるのだということをイメージしやすいです。もちろんバリバリ働きたいという女性もいますし、一律に枠に当てはめずに、ちゃんとその人の要望に応じて変えてくれているというのが実際に見えますね。

道下
 あとは、監査の現場で困ったことがあると、一番上のパートナーに相談したいということも出てくるのですが、隙間の時間を見つけていきなり質問をぶつけてもちゃんと答えてくださる方が多いです。上司相手だからといって、過度に委縮して丁寧なメールを打って一生懸命気を遣って…ではなくて、予定さえ空いていれば電話1本ですぐ解決することも可能なので、コミュニケーションがとりやすいなと思います。

好田
 「パートナーの部屋のドアは必ず開けておけ」というのは、基本だと私も習ってきました。みんなけっこう遠慮なく入って来るので、ドアがちょっと遠くにあるのですが、「コンコン」とノックの音がしたかと思って振り返ったらもう目の前にいたりして驚かされることもあります(笑)。その距離感というのは、ひとつ我々の雰囲気を象徴する特徴かもしれません。

4.入社後の感想
──「強み」のお話と少し重なるかもしれませんが、実際に入社されてみてのご感想を改めてお聞かせいただけますか。

道下
 まず私の場合は、会計士試験合格前の途中の過程を受かった状態で入社できるという制度で応募し、自分の価値観に合っている法人だなと感じ選んで入った経緯があります。試験勉強中には監査基準、会計基準を一通り学ぶので、これを学べば監査業務の補助はできるだろうなんて思っていたのですが、実際に入ると、規模やビジネスを踏まえ会社によって立案する監査手続は異なりますし、机の上で学んだことと実務とは全く違っていました。
 また、監査というのは担当するクライアントごとにチームを組成するので、年間を通じて色んな人と働くことになります。監査手続のみならず上司の考え方や仕事のスタンスもチーム毎に異なるため、毎日違うことの連続で、個人的にはそれが新鮮で楽しかったです。監査は同じことの繰り返しというイメージがあるかもしれませんが、年間通じて同じ、或いは翌年度になると同じ、ということはありません。また、年間通じてずっと忙しいということもありませんので、繁忙期が終われば休みをとったりして、メリハリをつけてリフレッシュして働くことができます。とはいえルーティンの業務はかなり残っていますので、私が今いるアシュアランス・イノベーション&テクノロジー部という部署は、そういう単純作業の効率化や、自動化、さらには高度化という動きに取り組んでいるところです。

濱田
 私の場合は会計士を志したことがない人を採用するという、PwCあらた独自の「公認会計士育成採用」という枠で入りました。それまで私は本当に普通の大学生として就職活動をしていて、公認会計士の「こ」の字も考えていなかったですし、実際にどういう仕事なのかはまったく知りませんでした(笑)。コンサル業界に行きたいなと思って色々見ていた中で、PwCあらたが公認会計士育成採用を募集していることを知り、採用説明会のイベントに行った時に「面白そうだな」と思ったので入りました。大学生の時にはアドバイザリーのような仕事と、海外と日本をつなぐ仕事に携わりたいと思っていたので、両方とも実現できていると感じています。
 一つ目のアドバイザリーのほうは、私は今金融の部門にいるので金融規制のアドバイザリー等が多いです。クライアントの前でプレゼンテーションするための資料作りや、実際にクライアントの前でプレゼンテーションするチャンスをもらえていることが嬉しく思います。
 二つ目のほうは、海外とのやり取りが頻繁に発生するクライアントで、色々な国、地域とやり取りしなければいけないことがありました。当然最初は全然ついていけず、苦い思いをしました。それでも、先輩がすごく優しく教えてくれたり、PwC海外法人から出向で来ているパートナーが、私のような職階が若い人にもちゃんと教えてくれるという姿勢があったので、何とかその仕事をやり遂げることができました。そうした経験を1年目、2年目とずっと重ねてきた中で、本当に夢というか、やりたいことが叶っているなという実感があります。

好田
 監査法人の仕事というのは、1年目と2年目で担当することが全く違うなど、毎年担当する内容が変わっていきます。職階が変わればさらに新たな役割が与えられ、チャレンジすることになります。。現場主査、マネージャーになって、だんだん任される仕事のレベルが上がり、タスクが変わってくるということが比較的早いサイクルで回ります。監査の仕事という意味では同じなのですが、担当する業務の内容は毎年変わる感じではあります。監査は単に数字をチェックしているだけの仕事ではありません。会社は日々変化する環境で事業を行っているので、監査の仕事では常に新たな課題が生じ、これを議論し解決していく必要があります。私自身、毎年同じことを繰り返したようなことは記憶になく、たまには平穏な年があってもいいのにと思うくらいですが(笑)、大変ではあってもいろんな経験ができるという面白さには代えがたいです。同じクライアントを担当していても、毎年変化があって飽きることはありませんし、さらにはPwCの海外事務所への駐在や、国内でPwCのグループ会社や事業会社、官公庁への出向を経験することで、違った環境で新しい知見を得て、キャリアアップを図ることもできます。

5.公認会計士試験合格者へのメッセージ
──公認会計士試験合格者へのメッセージをそれぞれいただければと思います。

道下
 職員は、自分が勤めている法人の一部のことしかわからないし、ましてや他法人の内情はもっとわからないままメッセージを出しています。そのため、就職活動中の皆さんから見た時に、各法人、職員が発信した情報を安易に比較することはできません。その一方、複数の媒体で多数の情報が発信されるので、かなりの情報量が得られます。そこで、ご自身で各情報をしっかりと検討して欲しいなと思います。PwCあらたが求めている「自分で考える」という文化にも近いですけど、狭い情報で判断することなく、広く情報を集めていただきたいですね。あと、監査人はクライアントに質問するのが仕事なので、様々な情報を見ている中で、気になることがあったらどんどん法人の担当者に質問してください。そうやって情報を集めて、自分の責任で悔いのない結論を出していただきたいなと思います。

濱田
 今、公認会計士業界もそうですし、社会全体が大きく変化していて、今と同じ状況であり続けるということが絶対に想定しえない時代だと思っています。なので、公認会計士試験に合格した皆さんはこれからどんな人生でもあり得ると思います。これまであり続けてきた監査法人像とか、これまであり続けてきたクライアントワーク像というのが、どんどん変わっているということを前提に、どこだったら自分がなりたい自分になれるのかというのを追求して欲しいなと思います。今の情報だけにとらわれずに、将来、時代の変化に対応できるかどうかも含めて決めていただけたらと思います。

好田
 二人が言ったことと重複するかもしれませんが、公認会計士の資格を取られた皆さんがこれから歩んでいく道というのは、本当に無数の可能性、キャリアパスがあると思います。それは今の時点で思い描けるものもあれば、これから業界に入って働きはじめてから見えてくる世界というのもあるかもしれません。自分のキャリアを考えること、また会計士のキャリアの入口としての監査法人選びというのは難しいと思います。いろいろ話を聞いたりしてできる限りの情報を集めて考えて、これから広がる可能性に挑むための力、スキルといったものを身につけることができると思える場所を選ぶとよいと思います。また、自分のキャリアの可能性に挑もうとするときに選択肢を用意し、サポートしてくれるような場所であることも大事だと思います。選択の自由があるがゆえに悩むことも多いかもしれませんが、最後は自分の心の声に聞いて最善の判断をしてほしいと思います。


好田健祐氏
PwC入社以来25年以上にわたり、製造業・サービス業の国内上場会社及び外資系企業の会計監査・アドバイザリー業務に従事。2004年~2007年及び2014年~2017年の約7年間はPwC米国法人に出向し、現地日系企業向けサービスを担当。

道下寛人氏
2014年に短答式試験合格者採用にて入社。主にインターネット・テクノロジー業の会計監査に従事し、2018年7月に監査業務変革部に移籍。現在は主査業務の傍ら、監査業務の効率化、高度化に取り組んでいる。

濱田由有子氏
2016年入社。資産運用会社、ファンドビジネスへの監査業務やアドバイザリー業務に従事。日系信託銀行に対し、ファンド監査や会計・金融規制アドバイザリー等を提供。外国籍プライベートエクイティ・ファンドに対する、日本会計基準、米国会計基準、国際会計基準に基づく、監査業務において主査担当。