太陽有限責任監査法人 リクルートインタビュー


太陽有限責任監査法人
人事研修部 リクルート委員長 パートナー 公認会計士 東京事務所 篠田友彦
シニアスタッフ 公認会計士 東京事務所 本田祥人
日本公認会計士協会準会員 東京事務所 深宮美和

<編集部より>
  監査法人の採用担当者と若手の方々に,自法人の特徴や入所した理由,感想などを伺う本企画。このページでは,太陽有限責任監査法人(以下,「太陽」)の篠田友彦氏(右),本田祥人氏(中央),深宮美和氏(左)のインタビューをお届けする(本インタビューは2020年2月に実施した)。


太陽有限責任監査法人
 太陽は,さまざまな経験に裏付けられたプロフェッショナルの集団であり,ミッドサイズならではのフットワークのよさを生かして,会計監査だけでなく様々なサービスを多くのクライアントに提供している。
 個人の成長が組織の成長につながり,その成長がクライアントの成長をしっかりと支援し,変革が求められる監査業界において,新たに挑戦し続けている。
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1.会計士を目指したきっかけなど
──現在の業務と,会計士を目指したきっかけをお聞かせください。

篠田友彦氏(以下,「篠田」)
 現在入所12年目で,パートナーとして様々な業種及び業界の監査業務を担当しています。また,間接業務として,リクルート活動に携わる他,IT化や業務効率化の支援を監査チームに対して行う部署にも所属しており,法人全体の後方支援に取り組んでいます。会計士を目指したきっかけは,高校生の時に,公認会計士協会が主催している職業説明会に参加したことです。一度しかない人生の中で,将来様々なことにチャレンジをしたいなと漠然と考えていた時期でしたが,士業の中でも公認会計士は特に様々な業務を行えるという話を聞き,とても魅力を感じました。

本田祥人氏(以下,「本田」)
 私は大学3年生の2014年に試験合格し,現在入所6年目のシニアスタッフです。学生非常勤で太陽に入り今に至ります。海外子会社もあるような上場企業監査を1年目からメインでやりながら,IPO,財務デューデリジェンス業務もやってきました。過去には上場ファンドの主査もやりました。6年目にしては本当に色々な経験を積ませていただいたと思います。会計士を目指したきっかけは,「何かやらなきゃ」と思っていた時に「簿記2級が無料で受けられます」というチラシを予備校で配っていたのに一本釣りされまして,自分の能力を試そうと受けたら受かったので,そのまま会計士試験にという感じでした。

深宮美和氏(以下,「深宮」)
 私は2018年試験合格で入所2年目になります。会計士を目指す前は中央省庁で10年ほど勤務した後,家族の海外駐在でインドで在外生活を経験し,帰国後公益法人に勤務しました。現在の業務としては,希望していたパブリック監査に加え上場企業監査,IPO準備会社の監査,国際業務などに携わっています。

 会計士を目指したきっかけは,前職の中央省庁や公益法人在籍時に,税収が伸び悩むなかで財源の確保が厳しいという現実に接していました。そのときに会計士の先生に相談する機会も多く,事業を持続していく上で,会計的な要素の理解や経営側の事業計画等が今後ますます大事になってくると感じたので,そういった公益法人を支えるような仕事に就きたいと思ったのがきっかけです。  

2.太陽の特徴
──太陽の特徴や強みなどを教えてください。

篠田
 規模として人員が1,000人を超え,売上も110億を超えた今,「大手の仲間入りですね」という声をいただくことも多いですが,我々はむしろ「利益追求だけに走らず,個人の成長に軸を置く」中堅の姿勢が太陽の強みであると自負しています。そのために徹底していることが二つあります。
 一つ目は,利益追求を理由にクライアントをお断りすることは絶対にせず,まずはクライアントに寄り添うということです。類型でまとめず個別対応をモットーとし,悩み事に対してすぐにサポート・解決する,主治医のような存在でしょうか。対応のスピードには特に自信があります。
 二つ目は,「職員の成長を加速させる仕組み」を整備している点です。太陽では,個人の成長を一番重視しており,個人のキャリアプランの中で,やりたい業務ができる環境を全力で整備しています。特に,太陽は事業部ではなくグループ制度を設けており,東京事務所の監査グループすべてで幅広い業務が経験できるようになっています。業種業界の垣根がないような組織づくりのおかげで,どのグループに配属されても,上場会社,IPO,パブリック,国際及び金融といった全ての業務に関与できる組織作りを行っています。

──採用活動で求める人材像はありますか。

篠田
 ずばり「チャレンジャー」ですね。前述したように,太陽では「成長を加速させる仕組み」を整えていますので,幅広く経験を積み成長したいと考えている人には,太陽以外は考えられないと断言できます。また,個人が希望する業務の方向性に組織が直接応えられるよう,コミュニケーション・リーダー制度というものを設けており,タイムリーな意見の吸い上げを行う事で,止まることない成長サイクルを描くことが可能です。つまり太陽は,あなたのチャレンジャー精神をいかんなく発揮できるというわけです。

 この熱い想いをお伝えするために,採用活動では受験生と1対1でお話すること基本としています。そして最も大切なことが,「嘘をつかない」ということ。面談で良いことばっかり言って期待ギャップがあると,短期的なスタッフの離脱につながりかねないので,出来ない事はできないと正直にお伝えしています。


(篠田友彦氏)

3.太陽を選んだ理由
──若手のお二人が「太陽」を選んだ理由を教えてください。

深宮
 私はパブリックセクターに貢献できる会計士になりたいとは思いながら,明確な理想像は見つかっていませんでした。リクルート活動を通して様々な会計士の方にお話を聞きながら私のなりたい理想の会計士像を具体化していくうちに,パブリックセクターの知識だけではなく民間を含めた様々な業種・業界の知識・経験の豊富な多様な引き出しを持つ会計士という理想像が出来上がりました。その点,太陽は他法人と異なり事業部制ではなくグループ制をとっており,ひとつの業種・業務にとらわれずパブリック監査からIPO監査,上場企業の監査まで,多種多様な業務を経験できる環境にありました。その環境はほかにはなく,自分の理想にすごく合っているんじゃないかなと思いました。

 加えて私は前職がありましたので,比較的短期間で成長できる環境が魅力的でした。他法人では長い年月をかけなければなかなか経験できないことを,太陽であれば比較的早い段階で経験ができる環境があります。リクルート活動で様々な方からいいところも悪いところもお話を聞けたので,それがすごく誠実というか,すごく透明性が高いなと思いまして,そこが自分にとっては合っていると思ったのがきっかけですね。

本田
 私は色んなことをやりたい人間で,それは太陽でないと不可能だったからという一言に尽きます。監査法人のリクルート活動で色々話を聞いていても,自分が何に向いているのかが全然わかりませんでした。そのときに太陽の説明会で事業部がないということを聞き,そして「何が自分に向いているのかわからないのは当たり前。色々やってみて自分が好きなことや得意分野を見つけて,そこを伸ばしていけばいい」と言って頂けたときに,霧が晴れたというか迷いが吹っ切れた感じがありまして,それで太陽がいいなと思ったのがきっかけです。

 例えば“ひとつの分野に専門特化したお医者様”ではなく,“様々な悩みを抱えている患者さんたちが,何でも相談にくる町医者さんのような先生”というのが,私のなりたかった会計士のイメージでした。様々な会社から相談されたときに“何でも答えられる”ような人,それが自分の思う理想の会計士の姿だったので,実際にそれを実現できそうだったのが太陽しかなかったですね。


(本田祥人氏)


4.働きやすさについて
──働きやすさという観点からご紹介いただける制度や特徴を教えてください。

篠田
 ひとつは離職率の低さが特徴として挙げられます。直近3年間で定期採用として,論文式試験合格者を120名以上採用していますが,現時点での退職者はなんとゼロです。単純に採用した人がそのまま残っているので,職員数も自然増となっています。
 また,働き方改革の一環で,在宅勤務制度及びサテライトオフィス制度を導入し,過度な残業を避けるため,PCが強制的にシャットダウンとなる時間帯も設けています。
 さらに,約20人のスタッフに対して1名専属のコミュニケーション・リーダーを選任し,年に最低2回,面談を行っています,その中でスタッフから直接悩みや希望を聞き,必ず上に吸い上げる仕組みとしています。業務の話だけではなく,プライベートも含めてしっかり相談に乗り,スタッフに組織が寄り添うことで,安心して成長できる環境になるよう心がけています。これも太陽の大きな特徴ですね。

本田
 私もコミュニケーション・リーダー制度がいいなと思っています。こういった制度って色んな法人にもあると思いますが,やっぱり太陽の良さは規模が程よいので制度が非常に効果的に機能するところですね。何千人という規模感でなく,太陽の東京事務所だと常勤職員で600人ぐらいですから,これは全員の顔と名前は一致しなくても,だいたい「知り合いの知り合い」で全員と繫がる規模感なんですよね。
 私はIFRSに今まで関与したことがなかったので,「そろそろIFRSやりたいです」とコミュニケーション・リーダーに話したときに,「あの人がやってるよ」と紹介してもらえました。紹介された方のことも知っていたので,スムーズに仕事をもらうことができました。お互いに顔と名前を知っているからこそ,得意分野とか現在の業務や必要としている人材といった情報も回りやすいので,この制度自体が良いのはもちろん,制度がしっかり機能するこの規模感が良いですね。

深宮
 私からは女性の働きやすさみたいなところをご紹介できると思うのですが,私の親しくしている先輩や同僚にはお子さんがいる方,産休・育休に入られている方が多くいます。育休明けに時短で働いている方とか,あとは主査業務をしている方で時短ではないけれども残業は基本的にせずに定時で上がっている方もいます。残業をせずに主査業務を行うことはなかなか大変なことだと思うのですが,それを可能にしているのが,この規模感で,「あの人はお子さんがいる」というのをみんなが知っていて,だったら早く帰れるように何とかしてあげようとか,そういう気遣いみたいなものが風土としてあるのだと思います。私も小学4年生の娘がいますが,急な発熱などで子供から離れられないときは現場の主査やコミュニケーション・リーダーの方に相談し在宅勤務や人員の確保などすぐに柔軟に対応していただいています。本当に困ったときにすぐに相談できる相手がいて,柔軟に対応してもらえる環境にあるので,これがすごくいいなと思っています。


(深宮美和氏)

5.印象に残っているエピソード
──仕事で印象に残っているエピソードを教えてください。

篠田
 我々の仕事に対して,クライアントから良い評価を頂き,別の仕事を紹介して貰うといった仕事の好循環が見られると,本当に「ああ,いい仕事をしたんだな」と感慨深くなります。クライアントにあまり過度に指導しすぎると,監査と2項業務1との同時提供になってしまう可能性があるので,匙加減が難しいのですが,可能な範囲でアドバイスをし,社長や担当者の方から直接感謝されると,大変やり甲斐を感じます。

本田
 上場企業やファンドとかはもう優秀な方々ばかりで,こちらから指導するべきことってそんなになかったりするんですよね。それはそれで勉強になるのですが,これから上場を目指しているIPOクライアントは,まだ勉強中みたいな一生懸命さがあって,その人たちに指導することは楽しいです。だんだんとクライアントからの質問のレベルが上がってきたりすると「クライアントの成長に貢献できたな」と感じるので,それが個人的には面白いなと思います。

深宮
 一番印象に残っているのは,ちょっとミーハーかもしれないですけれども,テレビや雑誌で取り上げられた会社にお邪魔したことがありました。事前に報道で拝見していた方が目の前にいらっしゃって純粋に感動しました。テレビ出演時のように事業展望や夢を真剣に語る姿がとても印象的でした。1年目からそういった経営者の方に接することができるというのは,普通はあまりない仕事だと思いますので,貴重な経験でした。

6.公認会計士を目指す方々へ
──公認会計士を目指している方々に向けたメッセージをお願いします。

深宮
 公認会計士の仕事を始めてまだ1年ちょっとですが,本当に合格できてよかったなと思える資格で,すごくやり甲斐があります。夢が広がるといいますか,ひとつの軸を持った上で可能性を広げていける資格だと思いますので,どんどん若い方にこの業界に入っていただいて,一緒に仕事をしていきたいなと思っています。

本田
 世の中には,頑張る人,淡々と過ごす人,怠ける人の3種類に分かれていて,頑張る人は上位10%。会計士試験の合格率も上位10%くらいというのがあって,みんな頑張ってきた人達だと思います。でも,その合格した10%の人たちも監査法人に入って仕事をしていくうちに,結局また3種類に分かれていって,ちゃんと継続して自分を高めていく人は合格者の中のさらに上位10%程度だと思います。私も若手なのでおこがましいですが,皆さんにはぜひその上位10%を維持してほしいです。監査法人って色々な経験を積めるんですよね。監査はもちろん,M&A,税務,何でも学べる環境が整っていると思います。その中でも特に太陽は本当にやりたいことがあれば何でもできるし,手を挙げた人はやらせてもらえるという環境があります。しかも,一人ひとりがプロフェッショナルとして輝ける環境にあるので,ぜひ上位10%に入り続けるためにそういった環境に身を置くことを意識していただきたいです。

篠田
 私は様々な業務ができるからという理由だけで,会計士を目指すことを決めましたが,12年間経験してみて,会計士の仕事の領域はもっと深くて広いなと心の底から感じています。監査法人以外にも会計士が輝ける場所はたくさんありますし,今後はさらに拡大して行くでしょう。会計士は士業の中では突出して,世の中の様々な情報や,知見を深く広く得ることができますし,継続的に勉強しながら自分次第で人生のステージを駆け上がることができる本当に素晴らしい職業です。是非皆様には,思い切って挑戦をして欲しいですね。


1公認会計士法第2条第2項に規定される業務。「公認会計士は,前項に規定する業務のほか,公認会計士の名称を用いて,他人の求めに応じ報酬を得て,財務書類の調製をし,財務に関する調査若しくは立案をし,又は財務に関する相談に応ずることを業とすることができる。ただし,他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については,この限りでない。」とされる。

篠田友彦氏
 2008年入社以来,上場会社及びパブリック分野の法定監査業務や,IPO,2項業務等に従事し,現在は人事研修部リクルート委員長に就任すると共に,業務推進部及び非営利統括支援室に所属。
 主な対外活動:JICPA 独立行政法人専門委員会委員,国土交通省国土技術政策総合研究所入札監視委員会委員
 趣味はスポーツで,法人内ではバドミントン部と野球部に所属している。

本田祥人氏
 慶應義塾大学在学中の2014年試験合格。学生非常勤として勤務し太陽有限責任監査法人に卒業とともに正式に入所し現在6年目。法人内のバドミントン部のほかフットサル部やダーツ部などにも所属。

深宮美和氏
 中央省庁や公益法人での勤務を経て会計士を目指し2018年試験合格。入所2年目。趣味は家族旅行や映画鑑賞など。最近,法人の部活動に入るか検討中。