補助輪 基礎知識Q&A
No.3297
(平成26年2月3日号)45頁

ショウ・ウインドウ「印紙税の免税点引上げと再発行した受取書」

Q1

印紙税が課されるのはどのような文書ですか。また、納め忘れたときのペナルティが重いと聞きましたが、どうなりますか。


A1

 印紙税とは、契約書や領収書などの20種類の文書に対して課される税金です。これらの文書を作成した者が、それぞれに定められた金額の収入印紙を文書に貼り付け、これに消印する方法などにより納付します。納め忘れると「過怠税」というペナルティが課されます。

1.印紙税が課される20種類の文書
 印紙税は、次の20種類の課税文書に対して、文書に記載された金額などに応じてそれぞれに定める金額が課されます(印紙税法3条、別表第1)。なお、記載金額が一定額未満の場合には、印紙税が課されない「非課税制度」があります(印紙税法5条)。


番号 文書の種類 印紙税額
第1号 不動産等の譲渡、地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡、消費貸借、運送に関する契約書 200円〜60万円
第2号 請負に関する契約書 200円〜60万円
第3号 約束手形又は為替手形 200円〜20万円
第4号 株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託・特定目的信託若しくは受益証券発行信託の受益証券 200円〜2万円
第5号 合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書 4万円
第6号 定款 4万円
第7号 継続的取引の基本となる契約書 4,000円
第8号 預貯金証書 200円
第9号 貨物引換証、倉庫証券又は船荷証券 200円
第10号 保険証券 200円
第11号 信用状 200円
第12号 信託行為に関する契約書 200円
第13号 債務の保証に関する契約書 200円
第14号 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書 200円
第15号 債権譲渡又は債務引受けに関する契約書 200円
第16号 配当金領収証又は配当金振込通知書 200円
第17号 金銭又は有価証券の受取書 200円〜20万円
第18号 預貯金通帳、信託行為に関する通帳、銀行若しくは無尽会社の作成する掛金通帳、生命保険会社の作成する保険料通帳又は生命共済の掛金通帳 200円
第19号 第1号、第2号、第14号又は第17号文書により証されるべき事項を付け込んで証明する目的をもって作成する通帳 400円
第20号 判取帳 4,000円

 平成25年度税制改正では、第17号文書の「金銭又は有価証券の受取書」、いわゆる領収書に係る印紙税について改正が行われました。収入印紙の貼り付けが不要とされる「非課税文書」は、改正前は領収書の記載金額が3万円未満のものとされていましたが、これが平成26年4月1日以後に作成するものからは、記載金額が5万円未満のものに引き上げられました。したがって、改正後は、記載金額が5万円以上の領収書が、印紙税の課税の対象となります。


(例)3万円の領収書を作成した場合


2.収入印紙を貼り忘れたら

 印紙税は、原則として、文書に貼り付けた収入印紙に「消印」をすることにより納付します。事前に税務署長に承認を受けるなどの手続を行うことにより、印紙を貼らないで印紙税を納付する方法もあります(印紙税法9条〜11条)。
 印紙税を納付しなければならない文書に収入印紙を貼り忘れた場合には、その納付しなかった印紙税の額とその印紙税の2倍に相当する金額との合計額に相当する過怠税が徴収されます(印紙税法20条1項)。

(例)収入印紙10,000円を貼り忘れた場合


 納付しなかった印紙税  10,000円  … @
 @の2倍に相当する金額 20,000円 … A
 @とAの合計額     30,000円 ← 過怠税(不納付税額の3倍相当額)

 ただし、これらの文書を作成した者が、印紙税を納付していないことが判明した際に、所轄の税務署長に対して印紙税を納付していない旨を申し出た場合(「印紙税不納付事実申出書」を提出した場合)には、過怠税は、その納付しなかった印紙税の額とその10%に相当する金額との合計額に軽減されます。この場合の申出は、あくまでも自主的に申し出た場合に限られますので、印紙税の調査があったことにより、過怠税の決定を予知して行われたものは除きます(印紙税法20条2項)。


(例)収入印紙10,000円を貼り忘れた場合(自主的に申し出た場合)


 納付しなかった印紙税  10,000円 … @
 @の10%に相当する金額 1,000円  … A
 @とAの合計額     11,000円 ← 過怠税(不納付税額の1.1倍相当額)

 貼り付けた収入印紙に消印をしなかった場合にも、貼り忘れた場合と同様に、過怠税が課されます。この場合の過怠税は、消印をしなかった印紙の額面金額と同額になります(印紙税法20条3項)。


(例)収入印紙1,000円に消印をし忘れた場合


 消印をし忘れた印紙税 1,000円
 その印紙の額面に相当する金額 1,000円 ← 過怠税

 いずれの場合においても、課された過怠税は法人税の所得金額の計算上、損金に算入することができません(法人税法55条3項1号)。
 契約書や領収書などの文書を作成する際には、印紙税が課される文書に該当しないかどうかの確認をすることが重要です。


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