税務用語解説

分割基準

 22以上の都道府県に事務所などを置いている法人で用いられる「分割基準」とはどのようなものですか?

 法人が納める事業税及び住民税は、その法人の事務所等がある都道府県や市町村において課される地方税です。
 しかし、その課税標準となる金額は、法人において各都道府県や市町村単位で個別に計算しているわけではありません。そこで、事務所等が複数の地域にある法人は、法人全体としての課税標準額を、一定の割合で各都道府県や各市町村に分割したうえで、それぞれ税額を計算します。この一定の基準を「分割基準」といいます。
 また、この分割基準は以下のとおりであり、税目によって異なります。




(1)従業者の数

 従業者とは、実際の給与の支払いの有無に関わらず、給与の支払いを受けるべき労務等を提供している者をいいます。したがって、アルバイトやパートはもちろん、無給の非常勤役員も従業者に含まれます。また、派遣社員については、その給与を支給するのは派遣元法人ですが、勤務場所が派遣先法人であることを重視し、派遣先の従業者としてカウントします。
 また、分割基準で用いる「従業者の数」とは、原則として、事業年度末日における各事業所等の従業者の人数です。ただし、事業所等を新設・廃止した場合や従業者の数が著しく変動した事業所等については、「従業者の数」を以下のように計算します。


 なお、資本金が1億円以上の製造業を営む法人の従業者数については、事業税の分割基準のみ、その工場の従業者数を実際の1.5倍で計算します。


(2)事業所等の数

 事業所等とは、継続的に事業を行うために設けられた設備、場所をさします。継続性が求められることから、一時的な仮の設備や場所等は、事務所等には該当しません。
 また、分割基準で用いる「事業所等の数」とは、原則として、事業年度内の各月末日における事業所数の合計です。

 

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