税務用語解説

リバースチャージ方式

 リバースチャージ方式とは、役務の提供を行った国外事業者に代わり、役務の提供を受けた国内事業者がその役務の提供に係る消費税を申告・納付する制度です。


1.リバースチャージ方式の対象となる取引
 国内事業者が、国外事業者から事業者向け電気通信利用役務の提供を受けて対価の支払いを行った場合には、その支払う対価は「特定課税仕入れ」として、リバースチャージ方式による申告・納税を行います。
 この事業者向け電気通信利用役務の提供とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、役務の性質や役務の提供に係る取引条件などから役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいいます。具体的には、インターネットを介した広告の配信やインターネット上でゲームやソフトウエアの販売場所を提供するサービスなどをいいます。

2.リバースチャージ方式の申告の仕方
 具体例を使って、リバースチャージ方式の申告の方法を確認してみましょう。

<具体例>
 課税売上高     1億円(税抜)・非課税売上高 2,500万円
 課税売上割合    80%
 課税仕入高    6,600万円(税込)
 特定課税仕入   2,000万円

<納付税額の計算>
 1.課税標準額に対する消費税額
  @ 課税売上高 1億円
  A 特定課税仕入れに係る支払対価の額 2,000万円
  B (@+A)×10%=1,200万円
 2.課税仕入れ等に係る消費税額
  @ 課税仕入れに係る消費税額 6,600万円×10/110=600万円
  A 特定課税仕入れに係る消費税額 2,000万円×10/100=200万円
  B (@+A)×80%(課税売上割合)=640万円
 3.納付税額
   1,200万円(上記1B)−640万円(上記2B)=560万円

3.リバースチャージ方式による申告が不要とされるケース
 課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税を適用する事業者は、当分の間、この特定課税仕入れはなかったものとしてリバースチャージ方式による申告は不要とされています。

 

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