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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

未支給の年金生活者支援給付金と相続税 (20.5/13更新)
Q

 被相続人甲に相続が開始しました。
相続開始後、甲の預金口座に消費税増税に伴う「年金生活者支援給付金」の振り込みがありました。
その振り込みがあった年金生活者支援給付金は、相続財産に未収金として計上する必要があるでしょうか。


A  本件の未支給の年金生活者支援給付金に係る請求権は、甲の相続財産に該当しません。甲の遺族の固有の権利であるので、遺族の財産となります。また、その遺族の範囲と順位が法律で定められています。
ところで、年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入金額や所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給するものです。老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金を受給されている対象者には、「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」が支給されます。
 その支給する根拠法である「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」において、生活支援給付金に対する公租公課の課税を禁止しているので(同法律第33条)、あらゆる税金が課税されることがありません。
 また、年金生活者支援給付金の受給資格者が死亡した場合は、遺族がその未支給の年金生活者支援給付金を請求することができると規定されていることから(同法律第9条)、その請求権は遺族の固有の権利であると解されるので、その請求権は相続財産を構成しません。
 なお、請求することができる遺族の範囲と順位は、配偶者、子、父母、孫等の順に規定されています(同法律施行令第5条)。


            (税理士懇話会・資産税研究会事例より)

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